2012年7月29日日曜日

思わぬ展開


どの時空間を彷徨っているのか
自分でも分からなくなっている最中、
久々にアクセスしたメールボックスに彼から二通のメッセージ。

私からの返事がないことを気にして、
改めて二度、送ったのだろうか。
身体の奥底に痛みが走る。

朦朧とした頭で斜め読み。

今回の出張は相手国からの正式なオファーが来ておらず、
今の外交関係の複雑な問題を思えば、余り不思議なことでもなく、
恐らくは流れるであろうこと。
二度も期待を裏切ってしまって申し訳ないと思っていること。

そんな内容が書かれている。

やっぱりお流れになってしまったのか。

残念さよりも、その事実をほっとして受け止めている自分に戸惑う。

二通目のメールも同じような内容。
彼の真摯さに却って申し訳なさを感じる。

こればかりは国が決めることで、
どうしようもないんだ。本当にごめん。今回、会えなくて、とても残念だよ、
と結んである。

慌てて返事を書く。

どうか気にしないで。

多分、そう、多分、
もしも決行されていたのなら、やはり行かずにはいられなかったであろう自分を思い、
そんな愚行をせずにすんだことに、やはり安堵せずにはいられない自分に呆れる。
そんな無理をした後の二人の関係の行く末は、小説を読まずとも分かりやすいばかりではないか。

今回は、むしろ有難い結果となったといえようか。
むろん、そんなこと彼には言えまい。

いつか、そう、いつか、
機が熟し、余裕を持って会えるときが出てくる、そう願わずにはいられない。


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