ストラスブールに遊びに行った友達から真っ赤なハートのプレゼントをもらう。
「あなたの熱いハードにぴったり」と。
その彼女へのお礼のメール。
真っ赤なハートありがとう。
私の心臓を思って買ってもらったのなら、もう少しで砕けてしまうかもしれないからと、記念に写真を撮っておきました。なんて、ね。
自分でもかなり疲れているんだと思う。疲れが澱のように溜まっていて、精神的に脆くなっているのが分かる。夜11時まで仕事をして、翌朝は6時に起きて出社。このペース、いつまで続くかと思い始めている。今朝ぼんやりとした頭で、メトロの階段を上って未だ夜のような地上に出た途端、通りのイルミネーションが目に飛び込んだの。これまで淡青色だけだったのに、真ん中が赤の粒できらめいている。もうすぐノエルだよって叫んでいるように。
早く逃げなきゃ。そう思った。
なんでノエルなんか、この世にあるのかって思い続けて、もう10年になる。毎年逃げているのに、今年は仕事があんまり大変で考える暇もなかったの。それに、バッタ達のパパが、ノエルとお正月、好きな週末を選んでいいよ、というので、じゃあ、ノエルの週末を子供と過ごしたいって伝えてあった。それが、ボルドーで一人暮らしをしているパピーがパリにくるので、23日の夜から25日の夕方まで子供たちにパリに来て欲しいっていうのよ。分かったわ、と答えるしかないよね。
それが先週の土曜。その夜友人の家で食事をしている時にノエルの話になって、皆で24日の夜がイブだよねって、当たり前のことを言い出して、その当たり前のことを私はすっかり忘れていて、パニックになったの。一人でどうやってこのフランスでノエルを過ごすのかって。
日曜の夜に帰ってきた子供たちにその話をしたら、息子バッタが、僕がパパに電話をするっていうから、やめて、って言ったの。ママが一人でいることって、ママの問題だものね。今でもパートナーもいなくて、一人だからなんて情けなくて言えないよ。言いたくない。
バッタ達は沈痛な顔をしていた。
逃げなきゃ。
つまらないことで言い合って傷つけ合うことには疲れたの。だから、私が我慢すればよいことは全てOKしている。バッタ達のことで彼らを庇おうと頑張ったこともあったけど、するとバッタがママやめて、って言うんだよね。親の諍いの原因となっていることが辛いんだと思う。
だから、私の心臓は今崩壊寸前。
早く逃れたい。
クリスマスとは無縁の地にいる友人に連絡をしたら、丁度自国で最大の基地を任されることになったらしく、その就任パーティーがクリスマスの時期に一週間続くんだって。彼らにはクリスマスなんてないからね。
慌てて台湾の妹のところに行くことにしたの。
500ユーロで往復チケットがあったので、やけに安いと思ったらイスタンブール経由。大丈夫かな。でも背に腹は代えられない。
素敵な真っ赤な心臓ありがとう。壊れそうな心臓を抱いて台湾に行ってくる。
またね。