2016年9月25日日曜日

薄紫の精霊









庭掃除 隠れたるかな 夏の日々

拾えども 出てくる出てくる 松ぼっくり

太陽の 恵みたわたわに クエッチや

隣人に 伐れと言われぬ 月桂樹

カラマンシ 芽よ出ろ育て 夏の夢

雨風に 榛実一つ また一つ

荒れ地にも 薄紫の 精霊か






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2016年9月22日木曜日

見上げると夕焼け空









こういう時に限って電車は各駅停車でのんびり運行。漸く目的の駅で電車からはき出されると、人の波を縫って転がるように階段を下り、改札を抜けるが姿が見えない。待ち合わせの時間に相手は10分も前に着いていて、私は15分も遅れている。携帯をならせば、車で来ていると言う。言葉少ななのか、気が利いていないのか、忙しいのか、分かると思っているのか、何も考えていないのか。待たせているのは、こちらなのに、人を待たせる行為にいらいらとして、この余裕のなさは何なのか。車が停めてあるロータリーまで走っていくと予想もしなかった笑顔に出会う。

見上げると夕焼け空。






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2016年9月20日火曜日

立場逆転










ママさぁ。そういう話は、親が子供に言う話じゃないよ。

そう言ったっきり、うつむいて無口になる息子バッタ。

やっぱり、ママは息子に甘えちゃいかんのね。ママの悩みを息子に相談しちゃいかんのね。ママはやっぱり、威厳ある親であり、辛いことも悲しいことも、皆胸に仕舞い、子供の前では毅然とした態度をとらんといけんのね。

だから、夫婦がいるんだろうけど、ママは独りだからな。
分かった、もうこの話はしないよ。さあ、美味しいものでも作って食べようか。

うつむいた顔は一向に上を向かない。

漸く口をきいたかと思ったら、本気で仕事を変えないと、身体を壊すし、家族との時間もない、と説教される。

うん。分かっているよ。後三年。三年したら、どこかアジアの国で、ママを必要とする国に行くことにしている。

ぎょっとした顔。

そんなところで、ママ、何の役に立つのさ、と言わんばかり。
大学三年の頃、海外青年協力隊の説明会に行ったときの絶望感が甦る。

看護師でもない。教員でもない。腕力に自信があるわけでもない。スポーツ選手でもない。
一体、何ができる?

ちょっと待ってよ。あの頃から成長していないのだろうか。まさか。
三人の子を産んだ経験なんて、実はたいしたことないし。

日本語を教えることはできるかもしれない。

その国の人たちは日本語を学んで、どうするの?需要は少ないよ。

息子バッタに言われてしまう。

参ったなぁ。最近、息子バッタとの立場逆転の会話が少なくない。
ママはもうちょっと自分の人生のこれからについて考えることにするよ。

パンションフルーツの花が満開。






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2016年9月17日土曜日

密かな愉しみ








日本の幼少教育では身近な植物の生育を楽しむ心を育むという目標があるのだろう。同時に、植物の生育の様子を観察することで、自然界への理解、探求心、向学心をも育むといった壮大な目標もあるに違いない。

幼稚園では朝顔、小学校低学年では向日葵、ヒヤシンスの水栽培、中学年ではジャガイモ、高学年では大豆が定番のように思われる。

中学時代、こっそりと自分の部屋に大蒜の水栽培をして楽しんでいた時があった。真冬の時期で、濃厚な緑の葉がぐんぐんと伸びていく様は非常に印象的であった。

もっと幼い記憶をたどると、母がサルビアやトウモロコシを植えていたことが甦る。今でも真っ赤なサルビアの花を見ると、胸がなんだか苦しくなるぐらい切ない。

仕事で忙しい母が、サルビアを植え、トウモロコシの苗を植え、肥料を上げていた姿。その周りを嬉しそうに走り回る子供達三人とコリー犬のビック。このビックは母にだけ懐いていた気がする。そして、いつだって、どこかに逃走しようと狙っていた。一度は何十キロも離れた村で見つかった。幼稚園生の頃だったと思う。自分より体の大きなビック。ビクトリアからきていると聞いていたが、そうか、Victoriaが本名だったのか。オスだったのにな、と、ちょっと不思議な思いになる。となると、ビクターが本名だろうか。幼い記憶はあやうい。

土いじりのイメージは一切ない父だが、アボガドの種を楊枝で支え、水栽培を楽しんでいた姿が甦る。パイナップルの水栽培もしていた、と、思う。

その記憶によるものか、或いはヒトとしてのDNAのなさる業なのか、異国の地で育った植物を育てたい思いに駆られる時がある。

あまりに新鮮でおいしいパイナップル。象牙海岸からの極上のマンゴ。ブラジルの地で食べたカシュナッツ。そして、フィリピンの爽やかな柑橘カラマンシー。

パイナップルは背丈が1mにもなったろうか。硬く鋭い濃厚な緑の葉を元気いっぱいに広げて育っている。マンゴは既に何度も挑戦しては、枯らしてしまっている。今あるものは、今年の夏のマンゴ。カシュナッツは芽を出したが、その後が灼熱の太陽が続かずに育たなかった。カラマンシーはゆっくりと芽を出しているが、カシュナッツと同じ運命をたどらないかと心配している。もう一つ、フィリピンからのマンゴ。これは芽を出しそうに土が膨らんでいるが、そこからの動きがない。

いずれガラス張りの植物園のような家に住んでもいいかな、と思う。
いや、いっそのこと、パイナップルやマンゴが育つ気候の土地に住めばいいのだろう。
椰子のジャングル。
その時には、柿が懐かしく、種を植えるのだろうか。

どうやら、海の藻屑にも、宇宙の星屑にも、そうすぐにはなれそうにない。
カラマンシーが育つまでは。





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2016年9月15日木曜日

お手並み背景







高校生になった末娘バッタ。

第三外国語に加え、ラテン語も引き続きオプションで学べると知るや、嬉々として申し込んだのは夏のバカンス前。高校に入って蓋を開けると、朝8時から夕方5時まで、ほぼ全ての時間が授業で埋まっている。特殊な学校で、各授業毎に休憩時間がない。5階ある教室の移動、トイレ、一体、どうして可能なのか。教師が遅刻に寛容なのか。だから、授業中のおしゃべりが絶えないのであろう。子供達は友達との情報交換やおしゃべりは授業中でしかできないのだから。

各教科の教員がそれぞれに授業内容を紹介するクラス説明会の日。父親が、ラテン語の教師が、中途半端な気持ちでオプションを取ると後で自分が苦しむだけなので、慎重に考え直すべきとのコメントをしていた旨末娘バッタに伝える。どうやら、今年は選ぶ生徒が多く、クラスが最初から賑やかで教師は持て余しているらしい。

あれもこれもとやりたがり屋の末娘バッタ。ラテン語のオプションなど長女バッタは中学二年にして止めてしまい、息子バッタは二年続けて、その後終了。三年続けていた末娘バッタ。続けたがる気持ちも分からなくない。しかし、これからは取捨選択。選んでいかないとなるまい。

ぼんやりと父親の話を聞いていたのかと思ったが、それなら明日にも教師にラテン語の授業をとらない旨話に行くと言うので驚いてしまう。

そして、二年間続けていた土曜のサッカー。これも今年は止めると宣言。その日の夜に、監督に丁寧にメールを書き送っていた。

驚いたのは、翌日。

ダンスの彼女と一緒になるかとバスに乗ったが姿は見えない。家に帰ると夕食を作っている最中。週に二回。夜8時半の帰宅になるダンス。それを今年は止めると言う。

夏のバカンス前には、やっぱり本格的なダンスをしたいので、スタージュを一週間でもして、コンサバトワールのダンスの編入試験を受けると言っていたのに。

そう長く悩まずに、さっと決める潔さ。
若さか。

これが、バイオリンを止めると言えば、大騒ぎするだろうのに、全く親とは身勝手で現金なもの。ちゃんと自分の時間の使い方を考えられるようになったのかと、感心してしまっている。


選択肢はできるだけ沢山ある方がいい。
沢山の中から、自分のしたいことを選べばいい。
自分なりの人生を歩めばいい。


サッカーやダンス、ラテン語、そういったオプションがなくなった分、自分の時間が出来るはず。その時間をどう過ごすか、それは自分次第。お手並み拝見、としようか。


常になく残暑が厳しい日が続くと思っていたが、一雨降るごとに、着実に秋に近づいている。

青い空を仰ぎ見る。







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2016年9月14日水曜日

低俗な話








やきもち?
そんな低俗レベルの話なのか。いや、実際そうなんだろうと思う。
バカバカしい。
分かってはいるが、仕方がない。

バッタ達にしたら、いい迷惑だろう。

しかし、どうして、
去年は長女バッタの留学先の北京に、夫婦で会いに行ったのか。
どうして、
今度は隣国の留学先に一週間も、家族で遊びに行くのか。

一体全体、彼には遠慮というものがないのか。
まあ、彼の辞書にはそんな言葉は見当たるまい。

そりゃあ、悪気がないことは分かっている。
長女バッタ会いたさから来ていることも分かっている。

そうか。
彼は、そうやってしっかりと自分の周りに家族というものを築いてきたのか。

なんかな。
もうお役目御免、ってことか。

なんかな。

全てを放り投げて、海の藻屑になりたいな

元気なバッタ達がいるからこそ、元気で生きてこれた。
いつだって自分たちの足で地面を踏みしめ、自分たちの手で未来を切り拓いていけるよう育ててきた。

もはや母親は必要なし、か。

夏からのこの虚しい気持ちを引き摺って、このまま欧州の辛い冬を迎えることができるのか

母親としての役割を終えたら、もういいのかもしれない
海の藻屑となろうが、宇宙の星屑になろうが






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2016年9月13日火曜日

真夜中の交流









仲間の一人から花の写真が送られてくる。
写真大会の始まり。

仲間とは、夏にバイオリンの合宿に一緒に行った親のグループ。当初は連絡網として活躍したWhatsApp。そのうちに、子供そっちのけで、高校生よろしく親のみが夜になると連絡し合って笑い合っている始末。その仲間との連絡は、合宿が終わっても暫く続いていた。

ある時、誰かがバカンス中に送ってきた花に対して、返事の意味で庭の花を撮って送っていたら、仲間が仲間を呼び、大勢で写真コンテストとなった次第。

バカンス中の真っ青な空を背景に、或いは真っ白な波しぶきの中を、はたまた牛が寝そべる傍でと、皆趣向を凝らしたもの。一人我が家の庭の紫陽花や薔薇を被写体に、美しさをモットーに張り切って参加した。

さて、バカンスも終わり、子供達は新学期でにぎわっている中、仲間の一人が思い出したかのように、皆への挨拶か、今夜花の写真を送ってきて、久々の写真大会となる。

数人が自慢の庭の花を送ったところで、ちょっとずるいが、フィリピンの蝶々園で撮影した見事な真っ赤な花を送る。すぐに、最優秀に選ばれるが、本当に庭で咲いている写真なのとのコメントを送ってくる仲間も。

画像はスクリーンに映し出されるけど、花はあなたの心に咲いているのよ。

と書き送る。

拍手が送られたと思ったら、今度は突如、諺、格言大会に。


堆肥の山から最も美しい薔薇が咲く

人は二つのことを同時にできないというが、象だって走ると同時に尻を掻くことはできない

イタチだけが自分の臭さを知らない

植えなければ芽は出ない

水によって植物は成長し、水によって腐敗もする

自分らしくあれ。他人の個性は既にとられてしまっている

キリンはサルと一緒に木登りをしたがらない

豚もおだてりゃ木に登る

実際にするまでは、いつだって無理と感じられる

愛さえ深ければ全ては許される

愛は時に魔法のようであり、魔法とは時に幻想である

。。。

夜が更けることも忘れ、ティーンのような仲間のおしゃべりは続く。。。






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2016年9月5日月曜日

茜雲









大学が始まる前から毎日のようにイベント尽くしの長女バッタ。

中国語サークル、国際学生サークル、試験お疲れ飲み会、ランニングチーム、ヨガサークル、オランダ探索チーム、、、

本業の勉強の方はどうなのか、その辺のニュースは入ってこない。

と、携帯に「今夜はオーケストラのリハーサルに行くの。バイオリンは友達に貸してもらうんだよ。もしかしたら、仲間に入れてもらえるかもしれないの。その時には、遊びに来る時にバイオリンを持ってきてもらっても、いいかなぁ。」

そんなメッセージが入っている。

北京には背負っていったバイオリンだが、どうやら一度も手に取らなかったらしい。今回は電車で移動とのこともあり、二つの大きいスーツケースにリュックで、手一杯の彼女は、最初からバイオリンを持って行くことを諦めていた。諦めていた、というよりは、持参することは今回彼女の選択肢になかった。

彼女のバイオリンケースが我が家のピアノの下に置いてある様子に胸を痛めたが、仕方ない。音楽を奏でるという財産を与えてあげたつもりでいた。それを生かすも殺すも本人次第。

親が良かれと思っても、子供が自覚しなければ何もならない。あの10年間の日々は、親の自己満足だったのか、そんな風に苦々しく思うこともあった。

それが、である。
長女バッタのメッセージを聞いて、思わず涙がこぼれそうになる。

大切な手紙を漸く見つけてくれたような、そんな気分。

彼女自身が求める音楽。
きっと、これまでとは違った音色になるのだろう。

空高くたなびく雲が茜色に染まる。











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2016年9月4日日曜日

カラマンシーの国から







郵便事情がすごく悪いのよ、着かないかもしれないけれど、といって、マニラの友人が、私の忘れ物を二週間前に郵送してくれていた。忘れ物は紫のタンクトップ。末娘バッタのものを勝手に失敬して着て行ったものだった。

書留郵便にしてくれたらしく、追跡番号の連絡がある。
フィリピンの郵便局サイトで検索してみると、

Your tracking info was not found, Possible reasons:
1: The carrier hasn't accepted your package yet.
2: The carrier hasn't scanned and entered your package tracking information into their system yet.
3: Your tracking number is incorrect or invalid.
4: Your tracking number has expired and removed from carrier's system.

おっと。
どうやら受付が終わっていないらしい。マニラの友人は、全部の『reasons(言い訳)』がありがち、と笑ってコメント。

それから二日ぐらいは面白半分確認していたが、いつも同じメッセージが出るので、半ば諦めてしまっていた。届くものは届く。届かなくても、どこかで誰かに着てもらえれば、紫のタンクトップも嬉しい人生と言えるのでは、などと思っていた。

それが、思いがけず、ちゃんと郵便受けに入っていた。

封筒を手にした瞬間、色々な思い出が波のように押し寄せてくる。





冷房の効いた部屋から外に出ると、むっとした暑さと湿気が一遍に襲ってくる瞬間、久々に身体中の肌の細胞が活性化され、身体の奥底からエネルギーが湧いてくる、あの特殊な感覚。


トライシクルに揺られながら、茹だるような暑さと、うるさいエンジン音と振動で、いつの間にか眠気に襲われる心地良さ。



延々と続くかのように思われた炎天下での散歩。ガイドブックに書いてあった土産物屋を探して歩いた時、友人の顔から流れていた滝の様な汗。


散歩の途中で見つけた、目を見張るような真っ赤なブーゲンビリアと、その脇で甘い香りを放つクリーム色のプルメリア。




フィリピン料理の真髄を語っていると思われる料理本を買いたいと言う私のわがままを聞き、土砂降りの中走り回る友人の背。



そして、椰子の木のジャングルの中をうねる緑の大河。


カラマンシーの濃厚な緑、小さなオレンジ色の果実、黄緑色の大きな種、そして爽やかな香りがいつまでも心に響く。







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