暗闇の中にふっと甘やかな香り。
薄黄緑で硬かった蕾の塊が、いつの間にか一つ一つの小さな花として分かれ、ぴんと反り返った花弁が、可憐さを醸し出している。
目を閉じると、その存在感は一層濃厚に。
ギリシャ神話に由来するという花の名だが、日本では明治時代に農学者であり園芸学者であった田中芳男男爵が風信子とし、紹介されるようになったという。
香りが風に運ばれる様が目に浮かぶようであり、単純に当て字を使っただけではない男爵の風流さに感心してしまう。と、同時に、その存在そのものが香りであり、目を閉じてこそ一層存在感を増すこの花に心奪われてしまう。
急に辻井伸行さんの弾く La Campanelle が聴きたくなる。
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