2023年9月23日土曜日

最高の賛辞






ひょんなことから、この9月から一年間、一週間に一回ではあるが、高校生を我が家に預かることになった。夕食を共にするわけだが、好き嫌いはないらしく、完食してはくれるが、美味しいからなのか、礼儀正しいからかなのかは、正直なところ分からない。と言うのも、おかわりのリクエストはなく、成長盛りの高校生なら、もう少し食べてもいいのではと、若干物足りなく思う程だからである。


以前、友人宅でご馳走になった時に、翌日のお弁当のおかずにと、ポテトサラダをお土産にいただいたことがあった。食べてみて、その繊細な味わいに思わず唸ってしまった。日本のおかずの代表格のポテトサラダではあるが、作り手によって味がこんなにも変わるものかと大いに感動したものだった。


そうか。ひとつ、このポテトサラダを作ってみようか。そう思ったら、リュックを背負ってジャガイモ、人参、玉ねぎ、胡瓜を買いに外に飛び出していた。


先ずはジャガイモと人参を良く洗って、ジャガイモは適当に切り分け、人参は大きめの塊のままで鍋に入れ、水を被る程度で、塩をぱらりと振り入れ茹で始める。玉ねぎはスライスにし、塩もみをして、辛味と苦味をしっかりと取り出し、水に晒しておく。胡瓜も、玉ねぎ程にはぎゅうぎゅうに揉まないが、塩もみをしておく。


ジャガイモの茹で上がりと同時に、人参も取り出し、ジャガイモを鍋に戻して粉吹きを作る要領で水気を飛ばし、熱いうちに若干の砂糖、お酢を振って下味をつける。人参は、好みの薄さに切り、玉ねぎと胡瓜は水洗いをして塩気を除き、十分に水気を切っておく。


ジャガイモはちょっと塊が残っている程度につぶし、マヨネーズ、お醤油一たれ、マスタードを入れて味付けをし、そこに玉ねぎ、人参、胡瓜を入れて混ぜ、ジャガイモを茹でたお湯で別途作っておいた茹で卵を手で細かく割り入れ、ふんわりと混ぜて、完成!


恐らく、生涯で初めて作ったポテトサラダ。しっかりとした歯応えがありながらも、ちゃんと茹で上がっている人参、しゃきしゃきの食感の玉ねぎと爽やかな緑の風を運んでくれる胡瓜、控えめながら、やわらかな優しさをもたらす、隠し味的存在の卵、そして、時々見え隠れする皮が元気な大地を思わせるジャガイモ。悪くない、ちっとも悪くない!


その晩、朝8時から授業が開始し、17時までノンストップでみっちりのスケジュールに加え、夕方の課外授業を終えてへとへとに帰って来た高校生君。夕食のメニューは、胡瓜のサーモン巻き、熱々のご飯に豚の細切れと糸コンの煮物、そして、ポテトサラダ。


お箸で器用にポテトサラダを取り、口にした途端、「Ah, c’est bon.」うっ、美味しい、声が漏れた。


やったね。これ程の賛辞はあるまい。




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