発光体から暗闇に降り、 出口と思われる緩やかな光を放つ方向に歩み寄る。
光の中に入ると、 ブルーマリンのオーバーがそこにいることが当たり前の様ににっこ りと立っている。
手をつないで氷の粒が煌くようなイルミネーションの扉をくぐる 。
琥珀色のビールでもなく、カラフルなカクテルでもなく、 黄金色の細やかな粒が舞上がるシャンパンで新年の祝杯をあげる。
甘やかな果実の香り豊かな黄金の液体がグラスに注がれ、 ミルティーユを摘んで朝食とした思い出がよみがえる。
ゆったりと時は流れ、再び暗闇の中にひとり足を進める。
と、頭上には神々しいばかりの満月。
改めて発光体に乗り込む。
溢れんばかりの思いをこぼれないように丁寧に掬い取るようにゆっくりと記憶を辿りながら、いつしか眠りに導かれる。
ふと目を開けると車窓の奥は暗黒の世界。トンネルか。
再び目を閉じるが、ぎょっとして目を開ける。トンネルなんてあるはずがない。
車窓の奥に目を走らせる。ただただ暗闇の空間が広がっているだけ。
笑みが顔中に広がる。
この一年が幸せに満ち溢れ、夢多き年となりますように。
夜汽車は緩やかにカーブして闇に光を放ちながら滑らかに走り続ける。
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