2016年11月20日日曜日

第三ステージ



バッタ達が大騒ぎの日曜の午後。
何事かと思ったら、末娘バッタの部屋に置いてあった壊れかけたベッドの解体作業。

数年前に、息子バッタが日本に帰る友達から譲りうけたもの。あんな大きなセミダブルの二段ベッドをもらっても、彼の部屋には入りきれないと思ったが、あんまり粘るし、彼にとってのとても大切な友達だったことから、ついつい許してしまう。案の定、のこぎりで板を切り、高さを調整して、漸く部屋に入れ込む。

が、二年ぐらいは使っていたが、どうしても部屋のスペースの有効利用とは言えず、大き目の末娘バッタの部屋に運び込んでいた。

普段は使わないセミダブルだったので、蒲団やらシーツを置き始め、物置化しつつあったところ、何度も解体し、運んでは作っていたからか、或いは、寿命なのか、横長の板が二つに割れ始め、困ったことになっていた。

壊れかけたベッドを解体し、マットレスだけは残し、日本の蒲団のように使おうと思ったらしく、解体され棒切れとなった板は、どんどんと地下のカーブに持ち運ばれていた。

そうしてベッドを片付けてみると、随分と埃が溜まっており、蜘蛛の住処になっていたらしく、掃除機を掛けながら、更に大騒ぎしている。

今度は火の粉がこちらまで飛んでくる。末娘バッタの部屋は我が家で一番日照時間が長いテラスに面している。そこに、マンゴは勿論、パイナップルの植木を置いておくのだが、それが虫を呼び寄せる原因とばかりに、責められる。

息子バッタなど、久々に妹の部屋に行ったらしく、パイナップルが余りに大きく成長しているので驚きを通り越して呆然。実もならないのに、こんな大きな植木は外に置くべきと主張。

ちょっと待ってよ。ママの大切な植木たちを勝手に外に出さないでよ。霜がおりたら、パイナップルはすぐに枯れてしまう。マンゴなど、目も当てられまい。

そうすると、板のフローリングが水で黒くなり、腐りかけていることを指摘される。そうか。確かにね。

では、と一階のサロンに移すことにする。冬は寒いけど、外よりはましだろう。

ママのすることなら、なんでも素敵なこと、と思っていた時代は既に過ぎてしまっていることは知っていたが、いやはや。

サロンに置くことさえ反対していた息子バッタだったが、ピアノの脇に収まったパイナップルを見て、肉厚の濃い緑の頑丈で先の鋭い葉が、意外に観葉植物としての魅力があることに気が付いたらしく、まあ、いいか、とばかりに、何も言わなくなる。

いつか、この家を出ていく時は、このパイナップル君と一緒かな。
そんな思いが、ふとわき上がる。

日当たりの良い部屋が一つと、使い勝手の良いキッチンがあれば、それでいいか。

まだ先のことと思っていたが、もうそこまで来ているのかもしれない。
第二の、いや、第三のステージ、が。








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