洗濯物を外に干し終えると、分かっているかのように熱い鼻面を膝に押し付けてくる。暑くなる前に散歩に行こうか。
森に行く手前の広場の入り口で、左の方からやってくるボーダーコリーの姿が目に入る。トンカも早速カンガルー立ちになり、それからすぐに伏せの姿勢となり嬉しそうに待っている。何回か散歩の途中で出会っているマロだった。大抵は相手が既に散歩をした後に出会うものだから、トンカはちっとも相手にしてもらえず、飼い主さんは年老いているのでごめんなさいね、と申し訳なさそうに言うのが常だった。
相手にしてもらえないと分かると、トンカはすぐに諦めるのだが、それでも会えばいつでも嬉しそうに飛び跳ね、一緒に遊びたがるのだった。その日のマロは早朝だったからか、散歩の開始直前だったからか、元気に何度も吠えてはトンカの相手をしてくれた。猛スピードで駆け回り、もつれ合い、じゃれ合う。終いに二匹は長年の親友かのように寄り添って歩き始めたのだから、驚いてしまう。
トンカが人見知りをしないものだから、こちらも飼い主さんと仲良くなってしまう。今回もマロの飼い主さんと森を一緒に散策しながら、色々な話をした。数年前まではモードの仕事をしていたが、ある時一念発起し蜂蜜の勉強をし、養蜂家になったという。花の種類によって蜂蜜の味は様々で、ティヨル、つまり菩提樹の花から作る蜂蜜はミントの香りがすることを教えてもらった。
ミツバチは黒色が苦手で、攻撃する性質があるので、黒色の毛をしたマロはミツバチに猛攻撃されてしまうらしい。逆にミツバチが一切関心を持たない色が赤。その証拠に飼い主さんは赤色のTシャツと赤色のズボンを着ていた。
犬君たちとの散歩に土日がないように、養蜂家の仕事にも土日はないと言って、爽やかな笑顔でトンカの背中を愛おしそうに撫でてくれた。
トンカのお陰で世界が広がる。
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皆さんからのコメント楽しみにしています
こんにちは クッカバラさん
返信削除トンカちゃんと旅をしているようなクッカバラさんが浮かんできます。
最近、養蜂家いいなあと思う私ですが、ある方がクマバチ取りに行くので同行したいと思いましたが、やんわりお願いしましたが、断らました。昔、刺されて死亡した人がいるから、危ないと言われました。分けてあげるから我慢してと。
クッカバラさんのラベンダーの蜂蜜どのような味がしますか。
なになにの花の蜜とかこちらで売っているのをみかけますが、実際何の蜜をあつめたのかわからない商品をみかけます(笑)
フランスは屋根裏で養蜂をする人が今も居るのでしょうか。
匿名さん、
返信削除こんにちは。
コメントを拝見するのが今となり、お返事が遅くなってしまってごめんなさい。
お元気でいらっしゃいますか。クマバチですか。名前からも恐そうですね。私は「クマンバチ」と言っていました。なんだか地方によって名称も変わるのでしょうか。そのクマバチさんの蜂蜜は、結局味見が出来たのでしょうか?
ラベンダーの蜂蜜、とっても美味しいです。屋根裏で養蜂ですか。確かに、パリのオペラ座で養蜂していると聞きました。オペラ座で販売しているそうですが、未だ味見をしたことはないです。ちょっとしたお土産になるかもしれませんよね。
こんにちは クッカバラさん
返信削除お元気なご様子で良かったです。
私はそれなりにで、もっと食生活を考えながらさらに若返りはないかと自問自答してます。
クマンバチも聞きます。私はクマバチでもクマンバチでも通じます(笑) クマバチは何だか恐ろしい響きでクマンバチは可愛い感じがします。蜂蜜目的ではありませんが、クッカバラさんの耳に挟みたいお話しがありますが、コメント上なので控えます。
ラベンダーの蜂蜜ですが、このご時世の中でもとても良いと思います。こちらではなかなか手には入りませんが、残念です。
お互いに元気で過ごして体に良い美味しいものを食べましょう。体に悪いものも解毒しながら(笑)
匿名さん、こんにちは。
返信削除コメントありがとうございます!
クマバチに関するお話って、ひょっとしたらリムスキーコルサコフによる「クマバチの飛行」のことでしょうか?
日本で入手できる蜂蜜はアカシアやレンゲが多いのでしょうか。実家の近くの牧場で中学の同級生が蜂蜜を作っていることを思い出しました。あの蜂蜜はどの花が中心なのかしら。今度ちゃんと味も一緒に確認しようと思います。
うふふ♬ おっしゃる通り。体に悪いものも解毒しながら、美味しいものを食べて元気に過ごしたいものですよね。日本は残暑が厳しいとか。どうぞご自愛くださいませね。