地下の暗がりの駐車場に慌てて車を停めて、
地上に上がるちょっとした坂を小走りに上って追いつき、
さっと、手を滑り込ませる。
そんなことが嬉しいの、
と、
呆れたような、驚いたような、
はにかんだような、
ふわりとした笑顔が返ってくる。
その間も、聞いてもらいたくて、
専門的アドバイスが欲しい一件を
ちょっと興奮気味に話し続ける。
お目当てのレストランが改装中。
ライオンのような笑顔で迎えてくれるエジプト人の叔父さんが、
ペンキ塗りに勤しんでいる。
迷わず、隣の小ぶりな食堂に入ると、
これまた非常にオリエンタルな雰囲気。
黒いアイシャドウで切れ長の眼を強調させた若い女性が、
今日のお勧めめを紹介してくれる。
それにしようとしたら、未だ残っているか確認してくるという。
それならば、お勧めなんて言わなければ良いのに、
と可笑しくなる。
漸く、5つのポイントを説明し終え、
今度は、一つ一つ、私なりの考えを伝え、意見を聞く。
どうも、1点だけ、良く分からない。
理解力不足で申し訳ないけど、と、何度も別の例を挙げ、
理解に努める。
そして、今度は解決策を模索する。
ああでもない、こうでもない、
こうだったら、と言っていたら、
嬉しそうな、にこにこの笑顔とぶつかる。
あまりにも、夢中だったので、ちっとも視線に気がついておらず、
一瞬、戸惑い、
今度は恥ずかしくなってしまう。
忙しい中、出てきてくれて、
話を聞いてくれ、
何度も分かるまで説明してくれ、
じっと理解するまで待ってくれ、
そして、今度は一緒に解決法を考えてくれている。
元気が湧いてくる。
よし、この線で悪くあるまい。
コーヒーも飲まずに、
急いで食堂を後にする。
ありがとう。
クイックランチに、クイックビズ。
次回はぜひゆっくりと。
今にも泣きそうな空から、はらはらと銀の粒が転がり落ちてくる中
オフィス街に車を向ける。
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