2013年6月21日金曜日

一年のうちで昼が一番長い日に



もうすっかり忘れたころに
むっくりと芽が出て
一気に茎が伸び、
最初は糸の様な幾筋かの細い線が
あっという間に葉となって、
ふるさとの灼熱の太陽を恋するかのごとく
日に日に葉を長く伸ばしていく。

赤茶色の赤ちゃんの葉は、
こうして深い濃い緑に変わり、
厚みも増す。

よく見ると、
今回の葉は、一月違いで早く植えた隣の葉と
幾分様子が違っている。

隣のマンゴは
葉が細長い楕円形で、先が丸い。

ところが、
今回のマンゴは、
葉がとにかく細長い。
そして、
驚くべきことに、
茎よりも、ちょっとどころか、ずいぶん長い。
植木鉢からはみ出て垂れ下がっている。

おや、君は、自分の丈の高さを知らないんだね。
そう笑うと、
『身の丈を知る』
という言葉が頭をよぎる。

そうか。
君は、実は、私みたいなんだ。
でも、茎の長さに関係なく、葉は伸びるものなのか。
厳しいながらも秩序ある自然界で、
こんな不合理なことが起こっていいのか。

種を深く植え込み過ぎたのか。
あるいは、
これから茎が一気に伸びるのか。

ふるさとの太陽の光とは雲泥の差があろうが
この6月の太陽を全身に受け止め、
自然界の掟さえも打ち破り、
我が思うままに、大きく成長しておくれ。

夏至の日に思う。





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