真っ青な空。
待ちわびていた日差し。
茶色くちりちりに枯れたリラに代わって、
さくらんぼの木の黄緑の粒が赤に染まり始める。
今年は急に冷え込む日が続いたからか、
突然の夏の到来に
さくらんぼの粒は極小だが真っ赤。
ピー達でさえ訪れることを忘れたようにひっそりとしている。
裏庭の腰まで伸びた雑草を
今年は息子バッタと末娘バッタが二人で
芝刈り機を使って賑やかに刈ってくれていた。
二人で一緒の作業が、
ゲームの趣きをもたらすのか。
若さからなのか。
あっという間に仕上げてしまい、
その後は余裕でキャッチボールをして遊んでいた。
丁寧さとはかけ離れ、
あちこちに刈り取られずに忘れられた雑草が残り、
まだらな空間が取り残されており、
脱ぎ捨てられた靴、手袋が散乱してはいるものの、
刈られた草はきっちりと袋詰めされ、
芝刈り機は納屋に運び込まれている。
5、6年前。
やっぱり、この二人組が芝刈りを手伝ってくれて、
気が付いたら電気コードまで刈り取ってしまい、
大慌てをしたことを思い出す。
あの時は、幼い子供にとって危険な手伝いとの思いは全くなかったが、
今にして思えば、
よくぞ、幼い子供たちを、手伝わせたものだと、
呆れてしまう。
そう思うに、
子供たちが幼いからといって、
自分の態度や考えを変えたことがないことに気が付く。
完璧とは程遠いながらも、
二人で仲良く刈り取った庭を前にして、
いつもとは違った思いがこみ上げてくる。
ひょっとしたら、
敬意を払って、
ピー達でさえ、さくらんぼを啄みに来ないのか。
気が付かないうちに
庭の奥で
淡いピンクの野薔薇が咲き誇っている。
胸一杯に野の香りを吸い込む。
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