丈高くローズレッド色の野薔薇が咲き乱れる様を仰ぎ見れば、
真っ白な飛行機雲が透明な空にしゅっと走っている。
丁度あの日のメッセージのように。
どうしても話がしたくて、SMSを送り、後から電話を掛けてみたが、つながらない。忙しいことは分かっている。それでも、緊急を要することは分かってもらえているだろうのに。必死の思いが伝わっていないのか。優先順位という言葉が頭を過ぎる。
8500kmも離れた距離にいる別の相手にスカイプ。時差もあるし、夜更けの時間だろうのに、すぐに応答してくれる。必要以上に感傷的なやり取りとなり、電車の中で人目も憚らず涙ぐんでしまう。
今度は50km離れたところにいる別の相手にメール。電話をしようかと思うが、メールにしてしまう。彼の返事はいつだって示唆に富んでいるし、含蓄があって読みごたえがある。彼の言葉が欲しかった。期待通りに、長い返事がくる。涙が溢れてちゃんと読めない。何度も何度も繰り返し読む。
翌朝には目の前の相手に話をしてしまう。ばしっと悟らされ、素直に頷く。
段々と気持ちが収まり、落としどころが定まった頃にSMSが届く。「今日の午後会おう。」いつだって唐突。こちらの状況なんてお構いなし。でも、それが本当にびっちりとしたスケジュールの中で、突然ぽっかりと空いた空間であることも承知している。だから、相手の都合など気にする前に、兎に角、宣言してしまうらしいことも、分かってきている。
午後って、こっちも忙しく仕事をしているのに、どうやって抜け出せと言うのか。それとも、夕方のことなのか。ただ、その気持ちが嬉しくて笑ってしまう。昔、大好きな俳優そっくりの医師が近所に住んでいて、風邪を引いて具合が悪くて診察を受けに行くと、医師の顔を見ただけで、風邪などいっぺんに治ってしまう思いがしたもの。その時と同じように、何かに悩んでいたことが嘘のように思われる。
こうやって親身になって相談できる仲間達がいることに感謝。
真っ白な飛行機雲に大きく手を振る。
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