凍てついた冬の庭で、何かが白く光っている。
慌てて外に出て見ると、蜘蛛の巣。すっかりと凍ってしまっている。
長女バッタが幼い時、雨が降る前に慌てて蜘蛛は巣を張るんだよ、と言うと、「あ、蜘蛛さん、間違っちゃったかな」と、あどけない表情で空を見上げたっけ。
彼女の見上げた向こうには、雨なんかの気配はちっともなく、真っ青な空が広がっていた。
凍った蜘蛛の巣の主はどこへ行ったんだろう。
風が吹いてしまえば、ぱりぱりと音を立てて壊れてしまいそう。
いや、蜘蛛の巣が奏でる音楽って、ちょっと悪くない。
秘密のメッセージが込められていそうな気さえしてくるから不思議。
そう。
凍てついた日には蜘蛛の巣でメッセージを送ろう。
相手に届く頃には丁度よく溶け始め、しゃらしゃらと音楽を奏で始めるだろう。
メッセージは一度だけ。
どうぞ心して聞いてください。
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