日が昇る瞬間を見たかった。
厳密には、日が昇る時に空が燃えていく様を見たかった。
最近は空が白々と明けゆく前にバスに乗り、空が明るくなる頃には眠り足りない人々と電車に揺られていた。ちょっと足を止めて、空の色が変化していく様子を眺めることもせず、急いでオフィスに駆け込んでしまう日々。
市庁舎前の木蓮が花芽を枝一杯につけ、その蕾が次第に膨らみ、今では狂ったように咲き乱れている様子も気になっていた。それでも、朝は電車に遅れないようにと急ぎ足で駆け抜け、夜は夜で次のバスに乗り遅れないようと走り過ぎてしまう日々。
予定があるようで、時間的には全く縛られない土曜の朝。
ふっと目を覚まし、東の空に面した小窓のある末娘バッタの部屋から外を覗くと、空に朝の気配が感じられる。慌ててジャケットを羽織り外に走り出る。
東の端が薄っすらと明るくなっている。雲が一筋、桃色に光り始める。
市庁舎前の木蓮は、今にも花弁がはらりとこぼれ落ちそうな程に咲き乱れている。
今朝の空は思い描いていたようには燃えずに、ぽっかりとした光の塊が木々の向こうに見え始める。
空を仰ぐ。
一日中空の色や雲の流れをみていようか。一瞬そんな思いが過る。
こんな日の始まりには熱いカフェラテが恋しくなる。
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