会いたい。
そう思ったら、どうしても会いたくなってしまう。
今週も忙しいと聞いていた。
それでも、金曜のお昼の誘いをしてみる。
誘いを待つ、
それが人間関係を長続きさせる基本なのか、知らないが、
「待つ」ことよりも、
会いたい気持ちが膨らんでしまう。
忙しいときに誘っても、
煩がれ、煙たがれ、むしろ逆効果であることは経験上知っている。
それでも、
と思う。
夕方になっても、まだ真昼のような輝きの中にある真紅の薔薇を見つめ、
丈の高くなった雑草に足を踏み入れたりなどすると、
会いたい思いは弾みがついてしまい、
もう私の手には負えない。
携帯は真夏のゼラニウムの赤の様にひっそりとしており、
微動だにしない。
こんな時、
相手を喜ばせる言葉を書くなんてしないことは分かっているが、
少しぐらい、反応してくれてもよかろうのに、と思ってしまう。
そうして、
頭を切り替え、別の世界に没頭し、会話をし、
着信メッセージがあることさえにも気がつかずに過ごしてしまう。
慌ててみてみると、
果たして、非常に機械的な文字の連なり。
朝から期末の社内会議があるが、13時ならなんとかなるかもしれない。
メッセージはシンプル。
分かりやすいこと、この上ない。
でも、思いが湧き上がってこない。立ち込めてこない。
一体、相手は、会いたいのか、会いたくないのか。
「そうだね、久しぶりにランチできると嬉しいな」
なんて、書けないものか。
「無理そうね。仕事頑張ってね」
とでも書き送ろうか、と思ってしまう。
まあ、まあ。
そうして、太陽が頭上の真上にくるころ、
携帯が震える。新緑の葉裏が風でまぶしくきらめくように。
「今、終わったよ。いつでもOK」
車のキーを手に、
階段を駆け下りる。
結局は待たされて、
13時のちょっと手前。
どうする?
クスクス?カレー?
そこの中華にしようよ。
早いし。
ふうん、急いでいるんだ。クスクス、そんなに遅くないよ。
クスクスにしちゃおうかな。
漸く笑顔がのぞく。
大輪の向日葵。。。
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