小雨が降っていて満月の威力は薄れるのか、ランチの誘いはすげなく断られる。遠方に出張のため無理、と一言。いつものことながら、残念、とか、別の日を提案することもない。
分かってはいても、物足りない。
そうこうしているうちに、全く連絡が途絶えてしまう。
忙しいのか、気持ちの余裕がないのか。
ちょっとしたSMSがどれだけエネルギーの源になるのか知る由もあるまい。いや、全く音沙汰なしの状況がどれだけエネルギーを失わせるのか知る由もあるまい。
気にしようと思えば、色んな事が懸念事項として浮かび上がってくる。
いつだって妄想に苦しめられる。妄想なのか現実直視なのか、その判断さえも曖昧となる。
ここは相手の動きを待つしかない。
リスがふさふさの尻尾をピンと張って飛び回っている様子を見ても心浮かず、
たっぷりのフランジパーヌのガレットデロワがこんがりと焼き上がって、兎のフェーブが当たっても、ちっとも嬉しさが出てこない。
90年代の南アフリカのルポを読みながら、著者が余所者のあんたには分からないよ、とことあるごとに現地の人に言われ続けたことを考える。
幸せとは、と改めて思う。
なんだか勝手に意地を張っている気がしてきて、軽く挨拶のSMSを入れる。
結局のところ、流れに逆らってもがくことをやめ、流れに乗りながらも、自分は変われない。
子の刻が過ぎたころに着信音。
外はしっとりと小雨が降っている。
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