「余りに長い間」
思いもよらない時間に、メールが舞い込む。忙しい時間帯であっただけに、タイトルを目にして機械的にメールを開き、あっと息をのむ。
ほんの5行ほどの短い文章。
余りに長い間連絡もせずに、ごめん。
弁解のしようもない。
ちょっとした「passage à vide」。
元気にしているといいけど。
たくさんのビズ
「passage à vide」。
空白の通路?
パリに来て、私に声を掛けずに通り過ぎたけど、つまらなかったよ、ということなのか。
でも、連絡をしていないことを謝るなんてセンスない。それって、ちっとも嬉しくない。
返事なんかするもんか。
そう思う反面、「passage à vide」という表現に気になっていた。
電車の中でググってみると、やはり慣用句のよう。
むむむ?ちょっとした落ち込み?鬱?スランプ?
そうだったのか。
そうなると、読み方は随分変わってくる。
こんなに長い間連絡もしなくて、悪かったよ。
弁解のしようもない。
ちょっと落ち込んでいたんだ。
君は元気にしているといいけど。
たくさんのビズ
元気づけるメールでも送ってあげたくなる。
しかし、昨年も春先に落ち込んでいたんじゃなかったか。それで、思い切って外に出て行ったのではなかったか。
山のあなたの空遠く
幸住むと人のいふ。
ああ、われひとと とめゆきて、
涙さしぐみ、かへりきぬ。
山のあなたになほ遠く
幸住むと人のいふ。
カールブッセ
まさか、そういうことなのか?
青い鳥症候群の一人だったのか?
いや、そうではあるまい。
私がたとえ心から抱きしめても、落ち込みからは脱出できないものなのだろう。
きっとそんなものは必要としていないのだろう。
溌剌と活躍している姿しか目にしていないだけに戸惑うも、優しさ、ではなく、ちょっと違った角度からメッセージをしたためる。
にんまりと笑ってもらえれば、本望。
ぱっと、ピーが緑の風に中に飛び去る。
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