大学が始まる前から毎日のようにイベント尽くしの長女バッタ。
中国語サークル、国際学生サークル、試験お疲れ飲み会、ランニングチーム、ヨガサークル、オランダ探索チーム、、、
本業の勉強の方はどうなのか、その辺のニュースは入ってこない。
と、携帯に「今夜はオーケストラのリハーサルに行くの。バイオリンは友達に貸してもらうんだよ。もしかしたら、仲間に入れてもらえるかもしれないの。その時には、遊びに来る時にバイオリンを持ってきてもらっても、いいかなぁ。」
そんなメッセージが入っている。
北京には背負っていったバイオリンだが、どうやら一度も手に取らなかったらしい。今回は電車で移動とのこともあり、二つの大きいスーツケースにリュックで、手一杯の彼女は、最初からバイオリンを持って行くことを諦めていた。諦めていた、というよりは、持参することは今回彼女の選択肢になかった。
彼女のバイオリンケースが我が家のピアノの下に置いてある様子に胸を痛めたが、仕方ない。音楽を奏でるという財産を与えてあげたつもりでいた。それを生かすも殺すも本人次第。
親が良かれと思っても、子供が自覚しなければ何もならない。あの10年間の日々は、親の自己満足だったのか、そんな風に苦々しく思うこともあった。
それが、である。
長女バッタのメッセージを聞いて、思わず涙がこぼれそうになる。
大切な手紙を漸く見つけてくれたような、そんな気分。
彼女自身が求める音楽。
きっと、これまでとは違った音色になるのだろう。
空高くたなびく雲が茜色に染まる。
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