吐く息も白い早朝の駅。
プラットフォームに下りるエスカレーターに人々は次々に吸い込まれる。
次に来る電車を逃すまいと駆け下りる集団の流れに乗ろうと勢いをつけたところで、懐かしい後姿を見つける。
百万人の人混みの中でも見つけられると確信が強まった瞬間、既に駆け下りる集団の流れに入り込んでしまう。
ネイビーブルーのピーコートはスーツケースを持っているらしく、エスカレーターで立って下りている。
声を掛けようか。
腕に軽く触れようか。
すれ違う瞬間、様々な思いが頭をよぎる。
振り返りもせず駆け足集団と一緒にプラットフォームを目指す。
背筋だけは伸ばして。
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