大声で「ママ!」と呼ばれる。普段でも大きい声を更に大きくして末娘バッタが連呼する。一体何事か。蜘蛛、だろうか。これだけ大きくなっても蜘蛛は大の苦手。夜中であろうが、トイレ中だろうが、蜘蛛を見つけると所構わず大声で叫び、とにかくどこかに行ってもらうまで大騒ぎをする。
まだ幼い時に、長女バッタとそっくりに腕が腫れ上がったことがある。どうやら蜘蛛が腕に這い、噛まれたか何かで、アレルギー反応を起こしてしまっていた。それ以来、どうも蜘蛛は苦手中の苦手。田舎家のこともあり、天井や窓の隅に蜘蛛の巣があっても、ちっとも気にしないでいたが、子供はそうではないようだった。蜘蛛はあれだけ大きく長い脚をしていても、ぱんと叩けば、あっけなく小さくなってしまう。外に退散願う場合は、箒の先に絡めて救出し、外で一振り。そんなことも、末娘バッタにはできない。
他の昆虫に対しては寛容で、大騒ぎをしないところをみると、やはり昔、寝込みを襲われ、腕が腫れ上がったことでの恐怖が根底にあるのだろう。いつかは親になり、我が子を敵から守るためにも奮い立つことで、蜘蛛アレルギーから克服するのだろうかと、ぼんやりと思う。
「ママ、雪!雪だよ!」
ちらちらと白いものが舞い落ちている。今シーズン、いつになく穏やかな気候が続いていたが、遂に寒気団のお出ましか。
犬と子供は大の雪好きとは言うけれど、確かに。幼い頃に雪が降ったと妹と大騒ぎをしたことを懐かしく思い出す。昔の様に雪だ、雪だと騒がなくなってしまったが、子供が出来て、彼らが大騒ぎをするから、大人になると少しのことでは動じなくなるからなのか。
ノーマルを履いたままの車での走行は出来るだけ勘弁したいな。そんな現実的なことがちらりと頭を過ぎる。
外では苔の上に雪が舞い降りている。
抹茶に粉砂糖を振りかけたかのように。
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