オレンジ色の街路灯が光るペーブメント。
木々の間から爽やかな緑が香り立つ。
雨が降った後を歩くのは悪くない。
短い時間だったのか、気温もそんなに下がっておらず、むしろ汗ばむほど。
夕餉を囲むのか、どの家からも明るい光が漏れてくる。
街路灯の間隔が離れている場所では、暗闇が待っている。
それでも、歩きなれた道。
しっとりとした雨の感触を足裏に楽しみながら歩を進める。
と、かしゃり。
何かを踏みつける。
ガラス細工のような儚さを足裏に覚える。
まさか、ね。
そう思いながらも、オレンジ色の輝きに出てみると、どうやら歩いているのは私一人ではなさそう。あちこちにカタツムリが歩を進めている。
カタツムリ君たちの邪魔はしたくはない。
それでも、暗闇に入ると、本当に何も見えない。
そうして、丁度同じ道を歩もうとしているらしく、かしゃり、かしゃり、と小気味よい音を立ててしまう。
どうも申し訳ない。
ごめんよ、カタツムリ君。
そう呟いて、またかしゃり。
小雨が降ったぐらいで夜道を急ぐなんて。
我が家の灯を見つけると、慌てて走り出す。
と、またかしゃり、かしゃり。
ごめん、ごめん。
なんだか不思議な夜道。
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