そこだけが別世界の様に明るいタクシーの光に吸い込まれ、夜の女王が支配する街並みを移動する。運転席でも助手席でもない、後部座席からの景色は、いつもの道の筈なのに、知らない場所に入り込んだ錯覚に陥る。
眠りの足りない、うまく回転しない頭の中で、北駅までの道のりを辿り、これまで何度も向かった北駅への記憶が、丁度オレンジ色の街路灯が車のスピードで流れていくように、幾つも、幾つも脳裏を掠める。
そのどれ一つ地雷の要素が最早なく、心の奥底の湖も波立つことなくひっそりとしている。
そうして、夜の喧騒を引き摺る空間と、新たに旅立つ高揚感に満ち溢れた空間が入り混じる早朝の北駅に足を踏み入れる。。。
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