これで今日、何度目のお茶だろう。
香辛料入りのブラックティー。
いつものお店で、何気なく目を走らせた嗜好品コーナー。
初めて見つけた香辛料入りのティーパック。
ひょっとしたら、
ノエルのパーティー用なのか。
その香りを味わう余裕もなく、
つい携帯を覗き込んでしまう。
メッセージは来ていない。
どうしてだろう。
最後に会ったときの様子を思い浮かべる。
最後にもらったメッセージを読み直す。
考えても始まらない。
一日が長く感じられる。
洗濯機を回し、
買い物をし、
軽くブランチをし、
洗濯機を回し、
掃除をし、
メールをチェックし、
洗濯機を回し、
集まりに出かけ、
戻ってくると、
バッタ達もパリから帰ってくる。
慌しく、バッタの父親とバッタ達の学業の話をし、
なんだか、嫌な雰囲気になり始めたところ、
長女バッタが泣きべそをかき、
父親が怒り始めた様子を何とか抑え、
話を前向きな展開に変える。
息子バッタのプレゼン能力の欠如の対策について一くさりあり、
末娘バッタに関しては、彼女のフランス語能力の補強について、
注文が出る。
まあ、分かっている。
我が家は日本語が使用言語。
バッタ達は仏語での会話こそネイティブだが、
やはり、何か欠けてしまうのであろう。
いや、
フランス人の父親としては、物足りなさを覚えるのであろう。
不安なのであろう。
そんなこと、分かっているだろう。
それを承知で出て行ったのだから、
バッタ達の能力うんぬんではなく、
環境を考慮し、
仏語のサポートが必要であると直接言ったらいいではないか。
ただ、
そのサポートを探すのも、依頼するのも、
私なのかと思うと、ちょっとうんざりする。
が、
バッタ達のためならば、
喜んでしようじゃないか。
そう前向きになるには、
私とて、ちょっとしたクッションが欲しい。
勝手に出て行った父親に、
言われたくない。
まあ、まあ。
そうカリカリするな、と
心では分かっている。
と、
息子バッタが後ろから抱き付いてくる。
彼なりのサポートなんだろう。
そうして、
漸く、話がまとまったところで、
今度は私の仕事の話となる。
つい熱が入る。
気がつくと、もう夕食の時間。
準備もしていない。
そそくさとキッチンに行き、
人参を洗い始める。
有意義な時間だったのか、
いらいらの時間だったのか、
よく分からない時間をなんとかやり過ごし、
かぼちゃと人参のスープ作りに専念する。
ちらっと携帯を覗く。
何のメッセージもない。
それからは、
バッタ達との夕食、
末娘バッタが明日発表をする内容のチェック、
長女バッタの国語の宿題のフォロー、
書類の処理、
と、
時間は瞬く間に経ってしまう。
そうして、
午後の集まりの内容を反芻し、
気がついたポイントを書き出し、
メールで意見交換をしていると
もう寝る時間に。
放り投げたベッドの上の携帯を
今日、もう何十回目になるのか、チェックする。
ああ!
一つ受信。
元気だったんだよね。
心配したよぉ。
心の緊張がゆっくりと解けていく。
弛緩。。。
すべてのことに感謝したい気持ちがじんわりと湧いてくる。
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