森を小鹿の様に駆け抜ける時のトンカは、野生動物そのもの。生き生きとしていて、躍動感があって、見惚れてしまう。森では当然のことながら、リードは付けていない。しかし、朝の散歩のときは、どうしても時間の制限があるので、お互いの精神衛生上の為にもリードを付けることにしている。
朝の散歩は30分で切り上げることにしているので、その間に新鮮な朝の空気を胸いっぱいに吸い込み、駆け回り、小動物の残り香を楽しみ、美味しいものが落ちていないか確認をし、小鳥たちを追いかけ、用を足すことができるルート、となると限られてしまう。
「足るを知る」ことは、自覚の有無にかかわらず、恐らく多くの人々にとり生涯の課題であろうが、それは動物にとっても同じことの様で、
と、ここまで書いて、重大なことを見落としていたことに気が付いてしまった。
欲望とは動物的な本能であり、理性によって制御するものであって、動物にそれを求めることは大いに酷なことなのではあるまいか。
まあ、今は取りあえずは深く追求せずに、事象だけを追うことにしようか。
そう、トンカは朝の散歩のルーティーンに飽き足りない時があって、そんな時はピタっと立ち止まり、梃子でも動かない。そして、目で訴えてくる。最初は、ひょっとしたらこの先は噂の猪の親子がいるのかもしれず、それで別の道を通りたいのかもしれないとか思ったものだが、どうやらそんなことでもないらしい。
トンカの傍に行くと、我が意を得たと言わんばかりにさっと別の方行に歩き出す。
とんちゃん、それってただの我儘じゃない?
それでも、前脚を美しく揃え、上品に立ち止まり、ぴたっと視線を合わせておねだりポーズをするものだから堪らない。できることなら、トンカのわがままを叶えてあげたいが、忙しい朝のスケジュールを思えば、無理な相談。心を鬼にして、一瞬ぴっと強くリードを引き、こちらの思いを伝える。
夕方の散歩の時に好きに遊ばせてあげるから、今はいつものコースを行くわよ。
こうやって、トンカは上手に夕方の散歩の約束を取り付ける。おねだり上手なトンカ。トンカから学ぶことは、尽きないな、と笑みがもれる。
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