2023年7月21日金曜日

雨を待つ

 




このところ、猛暑とまではいかないが、とにかく雨が降らない日が続いている。パリ程天気予報があたらない場所はないだろうし、そして、空模様が頻繁に変わるものだから、誰しもが天気予報をあてにしなくなる。それなのに、つい毎朝見てしまうのは、トンカとの散歩があるからだろうか。


気温が30℃を超えそうな時は、南に面したシャッターを下ろして外出しないと、留守番をしているトンカが煮え上がってしまう。雨が降りそうな時には、全ての窓がちゃんと閉まっているか確認する必要がある。


天気予報情報によれば、午後の降水確率が80%であったとしても、いつの間にか20%となり、次第に0%になってしまうことも少なくない。だから、森の中は乾燥しきっているし、地面がひび割れしている場所も出てきている。下草は焦げ茶色だし、藪を形成している植物は項垂れている。


それが、久しぶりに昨晩は静かな雨音が聞こえていた。朝には既に大地は水分を吸い取ってしまったかのように乾いてはいたが、トンカの足取りにもしっとりとした優雅さを感じることが出来た。草原も青々とした香りが匂い立っていた。


もう少し雨が降ってくれないものか。そうしたら、出来損ないの折り紙の様にくちゃくちゃにたたまれた私の心も、湿り気を帯びてふわりと膨らむだろうのに。




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