何かに突き動かされてベッドから飛び起きる。
窓辺に駆け寄り、ぴったりと閉まっているカーテンの隙間から外を覗き込む。えっ!思わず声を上げる。マッターホルンの尖った山頂がうっすらと燃えているではないか。慌てて母を起こす。ジャケットを着てベランダに駆け出す。
最初は先っぽだけだったが、そのうちに段々と二等辺三角形程度には赤みが広まっていった。そして他の山頂にも赤みが差してきた。
静かに、しかし、刻一刻とスポットライトがあたる範囲が広がり、とんがりコーンのような山頂全体が、赤といおうか、黄金色に染まる。
その神々しさに、声も出ない。
夢のようなショータイムは一瞬にして終わりを告げ、朝の透明な真っ青な空に、山頂は白く眩しく輝き続けていた。
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