朝顔に 鶴瓶とられて もらひ水
作者の加賀千代女は、その後「に」から「や」に推敲し、「朝顔や 鶴瓶とられて もらひ水」と訂正したと知り驚いてしまった。
「に」と「や」では、全く意味が違ってくるではないか!
やっぱりそうか。実はこれは、そんな風流な句ではなかった。
水を汲み上げる桶についている綱に、朝顔の弦が巻き付いてしまっていたのだろう。そう、うっかりもすると、あっという間に弦をぎっちりと巻き付け、絡みとってしまう朝顔。
この弦が思った以上にしっかりと巻き付いていて、そう簡単にはがせない。ひっぱって取ろうとすれば、絡めとられているものそのものまでひっぱられてしまう。
我が家の場合は朝顔ではなく昼顔。今朝も薔薇の枝に巻き付いている昼顔の弦をはがそうとして薔薇の棘にやられてしまった。そんなことならと、弦をひっぱったところ、今度は薔薇の枝がしんなりと曲がってしまった。
こんな可哀想なことはないと、丁寧に弦をとろうとするにも、何せびっちりと巻き付いているので困ってしまう。ちょいとひっぱったところ、今度は薔薇の蕾までもぎ取られてしまった。
そう。これは切れ字の「や」で表現するしかあるまい。
朝顔や 鶴瓶とられて もらひ水
ああ、朝顔!また朝顔に鶴瓶を取られてしまったよ。朝顔の巻き付いた弦は簡単に引きはがすことがかなわない。仕方ない。ちょいとお隣さんにお水をいただこうとしようか。申し訳ないことだよ。
昼顔や 枝葉とられて 泣き寝入り
お後がよろしいようで
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