2021年8月3日火曜日

雨の音

 




森の中を歩いていると、突然頭上からざわざわと賑やかな葉音が聞こえて来た。

見上げると鬱蒼と薄暗くて、空も見えないが、雨が降ってきたことが感じられる。

雨は一粒だって落ちてこないことに気が付き、おかしくなってしまう。


そして、突然、雨の音の真理にたどりつく。


雨の音とは、雨が降る音ではなく、雨が降って、ある対象物にぶつかった時の音。


激しい雨も、決して雨が降ってくる時の音ではなく、窓や土をたたきつける時の音。傘をたたく音かもしれないし、屋根をたたく音かもしれない。


森の中の雨の音は、たくさんの木々の葉や枝が受け取り、楽しそうに、軽快に響く。


地面は一向に濡れない。


それでも、森の出口まで出てきてしまった。外は白い雨。なんだか嬉しくなって、飛び出してしまう。


髪の毛に落ちてくる音。肩をたたく音。私という存在が作り出す雨の音を聞きながら、思わず微笑んでしまう。



👇 拍手機能を加えました。出来ましたら、拍手やクリックで応援いただけますと、とても嬉しいです。コメントを残していただけますと、飛び上がって喜び、お返事いたします。





にほんブログ村 その他日記ブログ つれづれへ
にほんブログ村

↑ クリックして応援していただけると嬉しいです
皆さんからのコメント楽しみにしています

0 件のコメント:

コメントを投稿