今年のショパンコンクールで大活躍した日本の若者たちの演奏に、心底感嘆してしまっている。YouTubeで彼らの演奏を簡単に検索し、無料で楽しめるのだから、こんなに素晴らしいことはない。数名のピアニストに対しては、追っかけよろしく、彼らのこれまでの様々な演奏も次々に検索し、聴き入り、俄かファンになってしまう。
ふと、ショパンコンクールと言えば、マルタ アルゲリッチがいたことに思いを馳せる。彼女の情熱的な演奏に、それこそ魂が揺さぶられる思いを何度もしている。彼女が弾くショパンを聞こうと検索し、とても情緒的な旋律が流れてきて、驚いてしまう。ショパンのサンドへの想いが静かながらもどんどん流れてきて、部屋中に溢れてしまう。
その時、閃光のように、あの時の友人の声が蘇り、彼が謂わんとしていることが明瞭になった。
車のステレオから流れてくる音、特にCDからダビングしたコピー版の音の質が良いわけがない。その曲への思い入れがあればあるほど、聞けたものではないと思っても当然ではないか。
あの時、精神的な余裕がなかった私は、私の選曲にケチが付けられたと解釈した。とても楽しい気分で聞いていたのに、その気持ちを台無しにされたと思った。楽しい時を共有できないことに、非常に悲しい思いをしたものだった。
なんて勘違いをしてしまっていたのだろう。
マルタ アルゲリッチをこよなく愛して、自らもピアノを弾いて、ラグビーが好きで、一度訪れた場所は何年経ってもたどり着ける特殊能力を持っていて、散歩が好きで、ライムストーンの小洒落たコッテージを持っていて、お酒が強いようで実は泣き上戸になってしまう。
今まで誤解していて、ごめんなさい。
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