いつものように慌てて、ジャガイモ、人参、長ネギ、と選んでいると、丸くて赤みが差した大柄な実に目がいく。
あら、柘榴。
グレナディンのシロップを使ったドリンク、カクテルは余りに有名だし、子供の咳止めにも使われている。でも、柘榴の実を手にするのは、久しぶりかもしれない。
案の定、バッタ達はなんだか分からずにいる。
食いしん坊の息子バッタが皮剥きに早速挑戦。
悪戦苦闘。
ついつい、手が伸びる。
こうして、ばくんと割るんだよ。
「ルビーのようだね。」
そうか、君はルビーを知っているのか。
ちょっとすっぱいだろうけど、食べてご覧。
中に種があるから気をつけてね。
「へえ、ボクこれ、好きだよ。」
慌てて末娘バッタが手を伸ばす。
長女バッタも味見をする。
「でも、ママ、種を出すの?」
葡萄の感覚で、種を食べちゃってもいいけど、、、。
そうして、塊を口に放ってみる。
爽やかな甘さに先ず驚く。
そして、種なんかちっともないことに気がつく。
ちょっと気になる程度。
幼い頃に食べた記憶をたどる。
酸っぱくて、種がしっかりとしていて、
食べてとびきり美味しいとは思えなかった、そんな気がする。
末娘バッタが、乳歯が抜けた隙間に柘榴の粒を入れて喜んでいる。
そうか、、、
記憶とは何と曖昧なことよ。
バッタ達と賑やかに一つの実を分けながら、
日本の柘榴をもう一度口にしたいとの思いが胸に迫る。
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