教えられた通りに
教えられた道を辿っている筈なのに
どうも様子が違う。
玄関を出て、前の道を左に真っ直ぐ
そして、いつか大通りにぶつかるので、
そこを左に折れて直ぐの建物が目的地の郵便局の筈。
それなのに、大通りに出るどころか、
細く入り組んだ路に迷い込んでしまう。
もう一度、出発点に戻る。
そうして、
さっきと同じように、
でも、今度は注意深く、辿ってみる。
ひょっとしたら、聞き間違いか。
最初の交差点を左折するのだろうか。
道行く人に聞こうと思っても、
すっかり、この地に馴染んだように思われても、
彼らの言葉は私には分からないし、
私の言葉を彼らは解さない。
なんだか、天狗に馬鹿にされたような気がしてきたところで、
トラックが止まっていたとばかり思っていた場所が、
実は道路工事をしていることに気がつく。
そこの道こそ、大通りに出る細い道。
なあんだ、そんなことか。
道路工事にしても、本格的なものではなく、
のんびりとしたものだったので、
脇をなんでもないかの様にすり抜けてみる。
そうして、漸く辿りついた郵便局。
切手を買うだけのことなのに、
なんだか、とっても手間がかかる。
すると、おじさんが寄って来て、フィリピン人かい?と聞いてくる。
返事をするのも疲れてしまい、振り向きもしない。
実際、どう返事をするのかも分からない。
それでも、なんだか可笑しさが込み上げてくる。
そうか、
そうかぁ。
フィリピン人。
異邦人であることに違いはあるまい。
にほんブログ村
↑ クリックして応援してくださると嬉しいです。
皆様からのコメント楽しみにしています。
台湾とフィリピンは近いですね。クッカバラさん、素敵な旅の思い出ができましたね。
返信削除あかうなさん
返信削除そうでした。
確かに台湾とフィリピンは近いですね。未だフィリピンには行ったことがないのですが、一度ぜひ訪れたいと思っています。