2021年12月26日日曜日

饗宴続き

 








いつもノエルの時期は逃げるように臺灣の妹のところに遊びに行ったり、日本の実家に帰ったりしていたし、昨年はまる一年日本にいたので、久しぶりのノエルをフランスで過ごすことになった。これまでフランスでノエルを迎える時は、イブの晩にはバッタ達と一緒で、ノエル当日は一人で過ごしていた。お昼の時間までに、バッタ達をパリのパパのアパートに送り届ける決まりだった。



それが今年は、パパと絶縁状態の息子バッタと、漸く挨拶電話を交わすようになった末娘バッタは、当然のように我が家に残った。末娘バッタによれば、招待されていないから、ということだが、招待も何もないだろう。無理やり行かせる年齢でもないし、当事者にしか分からないこともあろう。長女バッタだけが我が家の代表という格好で、息子バッタの運転で駅に向かった。運転手の助手ということで、末娘バッタも引き連れて。彼らにしても、長女バッタに対して後ろめたい気持ちがあるのだろうか。その辺のことは良く分からない。とにかく、本当に珍しくノエルの当日を二人のバッタと過ごすことになった。



イブにご馳走だから、25日は素麺でオッケーとの息子バッタの声を他所に、先日彼が友達のところで感謝祭の食事をご馳走になった際に美味しかったという薩摩芋ピュレに挑戦したくて、材料を用意していた。加えて、イブの日にスーパーに行った際、ほろほろ鳥が半額セールをしていたので即座に購入、既にスパイスとハーブの効いたブライン液に漬けていた。



薩摩芋はオーブンで丸ごと焼いて、ホクホクになったところをピュレにするので、一緒に茄子も入れて茄子のキャビアを作ることにする。一晩漬けておいたひよこ豆もすっかり水を吸収してふっくらとしている。これでフムスを作ろう。



薩摩芋ピュレはオレンジ、シナモン、メイプルシロップを入れて濃厚な味に仕上げる。担当は末娘バッタとなった。ほろほろ鳥のスタッフィングを作っていると息子バッタも参戦してくれ、彼がスタッフィングを入れる係りに。その後フムスや茄子のキャビアのピュレを作る係りとなり、大いに活躍してくれる。末娘バッタは、特大薩摩芋相手に苦戦している。無理せずに二つに切ってからオーブン焼きにすれば良かったかな、とぼやく。



長女バッタがプレゼントしてくれた香辛料4瓶を早速使って、フムスとキャビアの味付けをする。辛過ぎずに奥深い香りが、得も言われぬ味を引き出してくれる。香辛料の魅力をしっかり分かり始めたなんて、長女バッタもなかなかなもの。



ほろほろ鳥のローストには、前夜のマッシュルームソースやクランベリーソースがぴったりだろう。こんがりと焼き上がる香りがキッチン一杯に幸せ感たっぷりに広がる。



パリで大役を果たして疲れた様子の長女バッタを、これまた息子バッタの運転と末娘バッタの助手が駅まで迎えに行って連れ帰る。さあ、今宵も楽しもうか。




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