2022年12月6日火曜日

トンカと真ん丸の月と私

 






夕方近くに散歩に行くと、樹木の枝の先が切り絵のように見えて、非常に趣深い。夕闇が迫るにつれ、トンカの青色に光る首輪の輝きが増してくる。暗闇だろうと、昼間のように跳びはね、駆け回るトンカなので、次第に真っ暗の中で青色の筋だけが、素早く移動するのを見ながら、トンカの行方を確認しつつ、こちらは懐中電灯で足元を照らし、できるだけ泥濘にはまらないように注意しつつ歩みを続ける。


あれほど遠くに走っていったり、藪の中に入り込んだりする癖に、なぜか用を足す時は奥まった場所とはいえ、こちらが確認できる場所でするのだが、何か理由があるのだろうか。もしもの際に敵から守って欲しいとの本能がそうさせるのだろうか。


そんなことを考えていたら、青色の線が一点で動かずにいる。目をそちらに向けると、真っ黒な樹木のはざまから、こちらを覗いている真ん丸のお月様と目が合ってしまう。曇天の日が続いたからだろうか。気が付かぬ間に月はこんなにも満ちてきていたことに驚いてしまう。


ちっぽけな懐中電灯など必要がないくらい、月明かりが周囲を照らし始めた。濡れた落ち葉が重なり合っている小径など、まるで小川のさざ波のようにきらきらと光り輝いている。遠くから鹿の甲高い鳴き声。こんな世界もあったのか。


頬に冷たい風を受けながら、やわらかに微笑む。



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