毎年ノエルの時期に楽しみにしていた、分厚いスペキュロスがここ数年手に入っておらず、ご無沙汰をしている。スペキュロスがないノエルなんて、とまではいかないが、何か物足りなさを感じていたところ、ふと、自分で焼いてみたらどうだろうと思ってしまった。
そうなると頭の中はいつでもスペキュロスのことを考え、暇さえあれば、スペキュロスのレシピをチェックし、比較検討してしまう。ベルギーやオランダのビスケットなのだが、皆それぞれ好みのレシピで、スパイスの配分を工夫したり、型を工夫したりして楽しんでいることが分かった。恐らく、各家庭の味というものがあるのだろう。
どうして今まで思いつかなかったのだろうか。アレンジ大好きな私にぴったりのビスケットではなかろうか。そうなると我が家の香辛料の瓶を眺めまわし、これぞと思うものをピックアップすることから始まった。当然のことながらシナモン、そしてクローブ、カルダモン、コリアンダー、ナツメグ。大丈夫、皆揃っている。
粉砕機にクローブ、コリアンダー、胡椒の粒を適当に入れ、カルダモンは実を割って中の粒のみ取り出して入れ、細かい粒になるまで粉砕する。ナツメグの実を削り始めると、独特の豊かで奥行きのある香りがぱっと広がった。シナモンの香りがポイントとはいえ、トンカの香りも混ぜたらどうだろう。トンカ豆を削ると、今度は甘い香りが空中に放たれる。これにジンジャーを加え、Yuvuzela亭のスペキュロスに入れる香辛料は確定した。
室温に戻したブルターニュの有塩バター100グラムに、赤茶のキビ砂糖100グラムを入れてクリーム状になるまで混ぜ合わせる。香りを封じ込める意味を込めて、先ほど調合したお手製香辛料を入れ込む。ここに溶き卵一つ入れ、最後に小匙一杯のベーキングパウダーを混ぜた小麦粉250グラムを振り入れ、生地が丸くまとまるまで混ぜ合わせる。
生地は冷蔵庫で二日ばかり寝てもらって、焼く30分前に冷蔵庫から取り出し、好きな型に成形し、180℃に熱したオーブンで10分から20分ほど、様子を見ながら焼き上げる。
キッチンは甘く高貴な香りで満たされ、幸せとはこのことかな、と思ってしまう程。厚みがあったからか、薄っすらと焼き色がつくまで20分はかかったろうか。ラックの上で冷ましてから、お気に入りの缶に入れて保管。ふふふ。嬉しくて笑みが自然とこぼれてしまう。
さあ、いかがでしょう。Yuvuzela亭のスペキュロス。挽きたての珈琲もお淹れいたします。トンカと一緒に、皆様のお越しをお待ち申し上げます。
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