不思議な夢を見る。
子供の頃に飼っていたコリー犬のサムが、
あの細長い鼻を突きつけて、
アーモンドの様なつぶらな瞳で訴える。
「ボクがいるじゃない。」
私は必死で答えている。
そう、恋人は貴方だけ。
首のあたりを、彼が大好きなやり方で手でカミカミしてあげる。
それでも、彼のアーモンドの瞳は睨んでいる。
サム、、、だって、、、あれは、、、。
そう、あれは、先日のこと。
友人の飼っている愛らしい歩夢(ぽむ)を膝に抱えながら、
彼女がこの金曜に避妊手術をするとの、ちょっと衝撃的な話を聞いていた。
友人宅はアパートで一匹がやっと。しかも、これからスイスに駐在する可能性も高いらしい。一匹でさえバカンス中の預かり手を捜すことが大変なのに、ましてや、5匹の赤ちゃん誕生ともなれば、どうするのだ、と旦那がもっともらしいことを述べ、子供達の非難の声や、友人の悶々たる悩みを斬ってしまったらしい。
きっと友人が何かに押されて、愛犬に産む喜びを体験させることにでもしたら、そして、その赤ちゃん犬を目の当たりにしたら、きっとバッタ達と一緒にとろけて、その場で、腕に押し抱いて引き受けることを約束してしまうであろう。
勿論、犬を飼うことでの弊害、障害はある。
犬と子供を一緒に語ることが許されるのであれば、子供とて同じ。
大変さを考えていたら、我が家にバッタは3匹も揃わなかったであろう。
そんなこんなを考えていた矢先の夢での久々のサムとの邂逅。
ぎくり、とする。
ちょうど、今の末娘バッタの頃に我が家にやってきたコリーの子犬。
中学の夏休みの目標として毎朝の犬の散歩を掲げ、朝4時、未だ空に星が瞬く中、どうやら寝ていたらしいサムを起こし、散歩をする。いつもは喜び走る彼が、ぽとんぽとん、と歩いて私の後をついてくる。調子が悪いのか、と思いつつも、取り敢えずはいつものコースを終え、家に戻る。その夜、父が、サムがくしゃみをして、風邪を引いたらしいと告げる。え?朝の散歩がいけなかったのかな。私の話に家族全員が大笑い。。。勿論、夏休みの目標の一つは、初日で断念せざるを得ないことになる。
フランスからクリスマス休みで戻ってきた年。
どうも調子が悪いと母から告げられる。サムは元気なく、毛布の上で寝そべっている。いや、横たわっている。ストローでミルクを飲ませてあげるが、なんだか、飲んだのか、飲まなかったのか。そうして、次の日の朝、同じ格好で横たわりながら、静かに独りで散歩に出てしまった。
私の帰りを待っていたのだろうか。
小、中、高と成長する私たちと一緒に、家族の一員で過ごしたサム。
大学に行ってしまうと、そんなに遊んであげられなかったし、フランスに渡ってしまうとなおさらのこと。
生活の広がりに、彼を連れて行ってやれなかった。
また、同じことをしなさんなよ。
そうサムが言いに来たのだろうか。
サムのぬくもりを感じながら目が覚める。
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皆様からのコメント楽しみにしています。
もう一度クッカバラさんに抱っこしてもらいたいのかもしれませんね。サムちゃん。。。
返信削除あかうなさん
返信削除サムはコリーなんです。とっても大きくて、もう抱っこは無理だと思います。抱っこしようとしたら、こちらが転がってしまいそうです。赤ちゃんの時は、もちろん抱っこできる程の小ささでしたが、私にとってもサムは、飛び上がれば私の顔まで届くほど大きくなったサムです。。。