2022年2月22日火曜日

身を引き締めて

 




トンカの聴覚について前回記したが、臭覚に至ってはさらに上を行くことは周知の事実であろう。しかし、それを目の当たりにすることは新鮮な驚きがある。


毎日ご先祖様に温かいご飯のお供えを、といきたいところだが、なかなか日本とは事情が違うし、ご先祖様にしろ、フランスの風変わりなお供えも喜んでもらえるのではないかと勝手に解釈をし、カボチャの種やドライフルーツが混じった所謂グラノラ系をお供えしている。


お供えしたものは庭の小動物たちに、と外に撒いていたので、それを知ってか知らずか、先ずはピーがやってきて楽しそうに啄み、その後でっぷりの鳩君が遊びがてらに啄む姿が楽しめた。


ところが、トンカが来てからは、トンカが外に出るや速攻でその場を嗅ぎ付けてペロリぺろりとしてしまう。どんなにダメだよと言っても、所詮無理なこと。ちゃんと餌を食べた後でも同じこと。お供えのご相伴というのは、悪くないかもしれないが、やはりどうも違う。ここは鳥たちに楽しんでもらいたい。


そこで、トンカが家の中でお昼寝をしている時に、植木鉢などをしまう、ちょっとした小さな棚の上にお供えを撒いておいた。トンカの小ささでは、飛び上がっても未だ届かない程の高さにある。


それがどうだろう。次の散歩の時に、速攻でその場にたどり着いて、クンクンと泣き始めたのには参ってしまった。


我々の三度の食事の前、特に夕食の時など、調理の香りがキッチンに満ち溢れるのだが、これだってトンカにとったらたまらないことなのだろう。今のところ、全くおねだりなしなので、分かっているようで分かっていないのか、分をわきまえているのか、ありがたいことではある。願わくば、これが続くように。


トンカの可愛さに、ずるずるとひっぱられないように、線引きをしっかりとせねば、と我が身を引き締める日が続く。



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