2022年2月4日金曜日

新たな冒険の始まり

 





荒涼なブルターニュ地方の大自然の中、心優しいパピーとマミーが可愛がって大切にしている純白のゴールデンレトリバー。その子の調子がいつもと違うと感じ、獣医さんに診てもらったところおめでたが発覚。その二週間後には元気な3匹の赤ちゃんを産んだと言うからびっくりな話。末娘バッタの仲良しが、彼らのお孫さんで、今回の赤ちゃん犬の誕生を写真にて知らされ、もうとろけてしまったという。パパは森の精に違いない。3匹の赤ちゃん犬は栗毛で、3匹がかたまって寝ている姿を見たら、誰だってとろけてしまうだろう。


家族のグループチャットに末娘バッタが写真を送ってくれ、瞬く間に家族全員がとろけてしまった。ふっくらとした手、ぷくぷくとした鼻先、つぶらな瞳。


我が家で飼うことなんて、夢の夢だと思っていたが、夢は実現させるためにある。


色々考えると障害ばかりが頭に浮かび、どうも踏み切れない。庭で放し飼いにしてあげられたら、と思うものの、果たしてそんなことが出来るのだろうか。しかも、ゴールデンは大型犬。その割には甘えん坊で家の中で飼わないと、疎外感を味わい拗ねてしまうらしい。さて、どうしたものだろう。パパは森の精とはいえ、恐らくママと同じぐらいの大きさにはなるだろし、週末の散歩は近くの森に行けばいいが、週日は可哀想な思いをさせてしまうのではないか。末娘バッタと息子バッタは寮生活で普段は我が家にはいない。長女バッタも、毎日パリに通っているし、パリでアパートを探している真っ最中。犬を飼うとなると、その全責任を負うのは家主の私。その私も、仕事で家を空けることは少なくない。


なかなか決断ができなかったところ、息子バッタによる「このチャンスを逃したら、家では一生犬を飼うことはないよね。」とのつぶやきが後押ししてくれた。


そう、チャンスは一度しかこない。


ブルターニュの港町に金曜の夜、息子バッタと一緒に車を飛ばす。満天の星空と尖った三日月が夜道を照らしてくれ、我々の新たな冒険の門出を祝ってくれているようだった。4時間半のドライブに全く疲れを感じなかったが、行きはよいよい帰りはこわい、だろうなと思わせる距離ではあった。赤ちゃん犬が耐えうる時間と距離なのだろうか。


さあ、我々の冒険は始まったばかりだ。乗組員はクッカバラとバッタ3匹に、新たに一匹メンバーが加わる。名前はトンカ。トンカ豆のトンカ。甘くて、豊かな香りがお菓子の香辛料として使われることが多い、トンカ。トンカとの出会いに、胸は期待で膨らむ。



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