我が家のサロンから物が消えていく。先ずはペルシャ絨毯と部屋が大きくなる魔法のモロッコ絨毯。その代わりにIKEA絨毯となったが、二枚のうち一枚小さめの方は既に丸めて玄関ホールに退避させている。末娘バッタが作った黄金色のクッションも玄関ホールにて避難チームの仲間入り。そこに昨日は赤いハートの形のクッションが付け加えられた。
どんなにダメだと言ってもちっとも聞いてくれない。パイナップルの尖った葉先はトンカの歯型がくっきりと全てについている。それだけならまだしも、アボカドの植木の被害といったら!最初は表面の土が時々無くなる程度だったが、そのうちに葉っぱが下の方から順々に無くなっていき、土が掘り起こされるようになってきた。
NON !と言って止めるとトンカの好物の煮干しをあげてきていた。どうやら、その効果はちっとも認められない。NON !と言う度に戸惑った顔で近づいてくる。おりこうさん、そう、やめてね、と言うと不思議そうな顔をするだけで、また同じことを繰り返す。
何度土を植木鉢に戻し、雑巾で床を拭き掃除したか。何度掃除機で散らばった土や埃を吸い込んだか。植木鉢の場所も私の目が届くところに変えてみた。何度か外に連れ出して閉め出してみた。一度はキッチンに閉じ込めたつもりだったのに、鳴き声が聞こえないので不審に思ってドアを開けてみたところ、なんと玄関ホールに繋がるドアが開いていて、ちゃっかり玄関で靴を噛んで遊んでいたこともあった。
もう、これは仕方がない。声を張り上げちゃダメだとか、怒鳴ってはいけないとか、専門書や専門家の動画では言っているが、こちらの精神がだめになってしまう。ああ、我が家に来たことも運命と思って受け止めてくれよ、トン坊。心を無にし、黙々と掃除をしてきたが、トンカが目の前で植木鉢に鼻を突っ込むどころか、手まで入れてほじくり返した時に、堪忍袋の緒が切れた。
今回はドアがきっちり閉まっていることを確認した上で、トンカをキッチンに閉め出す。そして、天井まで届く程育っているアボカドの植木を玄関ホールを伝って別の部屋に移動。トンカがぶんぶんと齧っているクッションを幾つか避難所に避難。キューンキュン泣いているのも無視し、床の雑巾がけをする。空気を入れ替え、さっぱりとしたところで、トン坊を迎え入れる。笑顔なんて勿論見せない。
一瞬にして何かが違うと察知した様子。大好きなクッションもなく、いたずらできる植木鉢もなくなってしまった。呆然と立ちすくむトン坊。こちらは、一切反応を無視して仕事に没頭していた。ちらりと横目で確認すると、仕方なくお気に入りのマットに座り込み寝入ることにしたらしい。が、むくっと立ち上がる、静々と近寄ってきて、何と顎を膝に乗せてきた。これにはさすがに参ってしまった。その日はいたずらばかりで一切甘えてこなかったのだから。
分かっていないようで、実際はちゃんと色んな事が分かっているじゃないか。大丈夫だよ。もう怒っていないよ。そう言ってトンカを膝に乗せてあげると、安心したのか指をぺろぺろと舐めて、ぐっすりと寝入ってしまった。嗚呼、参りました。全面降伏いたします。
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