2023年3月2日木曜日

突然の訪問客

 





暫く疎遠になっていた知人から、突然メールが入って、折り入って話があるので会いたいと言ってきた。大いに戸惑ってしまった。疎遠になったには、それなりの理由があった。親しくなったこともあったが、その度にしっぺ返しを食らっていたし、卒倒しかねない程の啖呵を切られたこともある。それでも、細々と関係があったのは、バッタ達が絡んでいたからで、バッタ達が3人とも高校を卒業してしまうと、もうほとんどお互いに会うことも、連絡を取り合う必要もなくなってしまっていた。


一体、今度は何をやらかしたのだろう。庭の松の木が大きくなりすぎたと言うのだろうか。レバノン杉による花粉アレルギーに対する苦情だろうか。良いことなど、一つも思い浮かばなかった。


聖人君子ではないから、はたけば埃はどんどん出てくることは重々承知していた。ひょんな繋がりで、全く思いもしなかったことで叱責される可能性も否めなかった。


さあ、どうしようか。何故、一言、何々の件でお話がしたい、と言ってくれないのだろうか。電話ならいつでもどうぞ、と携帯番号を知らせ、夕方には犬の散歩があるので、夜にしか時間がないことを伝えた。


すると、では夜に伺います、との返事がきた。


電話では話にくいことなのだろう。


ご用件はなんでしょうか、と聞けばいいものを、なんだか聞きにくいものがあった。私にとっての「常識」と彼女のそれとは必ずしも一致しないことは、経験で知っていた。まさか、変なビジネスに巻き込まれていて、何か売りつけてくるのかもしれない。その時には、しっかりと断ろう、そう強く思った。


しかし、彼女は我々の関係をどう思っているのだろう。過去のことは全てご破算で、今では普通に挨拶し、笑顔を交わす間柄と思っているのだろうか。まあ、過去にこだわる必要はないか。


トンカとの散歩をちょっと早めに切り上げ、門柱灯を点け、シャッターを閉めずに待つことにする。約束の時間が来ても、トンカはソファーでのんびりくつろいでいて、訪問客がまだ来ていないことを告げている。ドタキャンの言葉が一瞬頭を過る。まあ、それも、それでいいか。全く、お人好しのこの性格、どうにかならないものか。



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皆さんからのコメント楽しみにしています

2 件のコメント:

  1. こんにちは
    ママ友とか面倒くさいですね。
    クッカバラさんも私もお人好しなところを見直さないといけない(笑

    返信削除
  2. 匿名さん、

    「お人好し」は遺伝らしく、そう簡単には治らないみたいですよね( ´艸`)
    私の場合は、これに「お節介」がつくので、厄介です。これは治さないと、と本気で思っています。

    まあ、お節介をしている時って、自覚がなくて、後から、あちゃ、お節介しちゃった、と思いうことが多いのですけれども。とほほ。

    返信削除