ひょっとしたら。
逸る気持ちを抑え、主がいなくなってがらんとしている末娘バッタの部屋に駆け上がると、東側の窓からちょうどまあるい月が見える。ウサギがちゃんと餅つきをしているではないか。
確か寮に散らばって行った彼らの部屋からも日の出が拝めるのだから、今夜の月もそれぞれ愛でることが出来るに違いない。
夕方にかけて曇り空だったのに、すっかりと広々とした夜空が広がり、お月様の堂々たるお出まし。
夜中に何かに突き動かされて起きてしまう。バッタ達のガラクタや幼い時の本が、半端な片づけ方で所せましに詰め込まれている物置と化した小部屋の扉の下の隙間から、強い光が漏れている。
ふと、扉を開けると、小さな天窓一杯にお月様。
私が月を見上げると、月が私を見る。
満月の夜にドライブをすると、月が追ってくる気がする。見守ってくれている、と言うのだろうか。そんな思いをするのは、私一人ではないだろうことに、月の偉大さを思わずにはいられない。
寝室の窓のシャッターをできるだけ静かに音を立てずに開けると、そこにも煌々と光るお月様。
どうやら今夜は眠れそうにない。
👇 拍手機能を加えました。出来ましたら、拍手やクリックで応援いただけますと、とても嬉しいです。コメントを残していただけますと、飛び上がって喜び、お返事いたします。
にほんブログ村
↑ クリックして応援していただけると嬉しいです
皆さんからのコメント楽しみにしています
0 件のコメント:
コメントを投稿