予期していなかったわけではない。心のどこかで、夏の盛りが過ぎたら連絡があるかもしれないと思っていた。それでも、メッセージが2つのアプリに入ってきたことを知り、胸がざわついた。
一つには「今どこ?」と聞いてきて、もう一つには「まだフランスにいるの?」と聞いてきている。
何食わぬ顔で。
長い夏のバカンスから戻って来たとでも言わんばかり。それなら、こちらも同じように演じようか。バカンスはどうだった?と。
連絡があるとしたら、動かない青空と真っ白な夏雲が過ぎ去って、空がぐんと高くなり頬をなでる風に芯が感じられ、木々には深緑よりも茶色い葉が増える頃、と思っていた。
それが、夏の終わりを名残惜しむような、焦燥にも似た暑い日差しが背を照り付ける真夏日のような日に、連絡がくるとは。
見上げる青空には雲一つなく、頬をなでる風も何も告げてはくれない。
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