一雨降るごとに秋に近づく季節になってきた。見上げる空には見事な鱗雲がたなびいている。秋に近づくのではなく、秋はもう来ているのかもしれない。
マルシェに行くと待っていましたかの如く、キノコ売り場がにぎわっている。お馴染の純白のマッシュルームとこげ茶色のマッシュルームの隣に、大ぶりで肉厚のヒラタケがでんとおわしまし、すましたエリンギの脇には大柄のセップはもちろん、茶色のジロール、薄茶のピエドムトン、逐語訳して羊の足、そして黒いトランペットドラモール、これも逐語訳して死のトランペットが山盛りで秋の香りを放っている。
さすがに庶民のマルシェにトリュフはお出ましになっていないが、遂にシーズン到来かとばかりに、興奮してしまう。まんまとお店の戦略に嵌ってしまうが、それも悪くない。
先ずはキノコと言えばリゾットではないか。どこかのレシピで、せめてキノコは3種類以上使って奥深い味わいを出すべし、と読んだ気がする。取り敢えずはジロール、ヒラタケ、こげ茶のマッシュルームを適当に袋に入れる。
我が家に帰って改めてキノコ達を眺める。ジロールは新鮮で袋に鼻を入れると奥深い森の香りがした。枯れ葉も汚れも、そう気にしなくてよさそうなので安心し、3種類のキノコを混ぜてリゾットを作る発想がどこかに飛んで行き、ジロールのみの香りを楽しもうという気になる。
重さを計ってみると200グラム。あれれ。随分と量があるように思うが、レシピが指定している400グラムの半分でしかない。それであれば、ヒラタケを200グラムばかり足そう。ヒラタケも計ってみると200グラム。これでは買ってきたジロールとヒラタケを両方いっぺんに使ってしまうことになる。
なんともけち臭い買い物をしてしまったものだと思うが、むしろこのレシピが超豪華なのではとも思ってしまう。
さあ、つべこべ言わずにせっかくの秋の味覚を楽しもう。
ジロールとヒラタケは細くちぎり、フライパンで弱火で炒めて汁を出す。森の香りがキッチンに満ちてくると、やや強火にし汁を飛ばし、塩コショウ。
中華鍋にオリーブオイルでみじん切りの玉ねぎを透明になるまで炒め、お米も同じように透明になるまで炒める。ここにワインを1カップ程度入れるのだが、フランス人シェフのレシピによれば、赤ワインを使ってリゾットに色を出している。ジロールの茶色に色合いもぴったりかもしれないな。そう思い、赤ワインを使う。
十分にお米がワインを吸収したところで、少しずつコンソメスープを入れて炊いていく。
アルデンテになったところで先に炒めたジロールとヒラタケを入れ、十分熱せられたところに火を止めてパルメザンチーズをふんだんに振り入れ、しばらく放置。
まろやかな色合いとつややかさに秋の森が連想され思わずにんまり。さあ秋を満喫しよう。
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