2022年10月28日金曜日

幸せって何だっけ~昆布のお煮しめの巻き

 





日本に行くと、初夏であれば母が庭の山椒の木から枝を取り、ニシンの山椒漬けを作ってくれる。身欠きにしんの昆布巻き、玉こんにゃくの甘辛炒めも、母ならではの味。


友人達を囲んでの食事会のために、ちらし寿司を作る予定で椎茸を戻しておいたので、椎茸の滋味あふれる出汁がある。母の味とは程遠く、身欠きにしんもないけれど、昆布巻きを作ろうと大切にとっておいた円蔵昆布を水に漬けて、塩抜きをする。


ぐるぐるに昆布を巻き、かんぴょうがないので輪ゴムで止め、静かに鍋に入れる。ここはレシピなど見ずに、適当に白ワイン、お醤油、白ワインで作った適当味醂を入れ、ゆっくりと煮立てる。お醤油の香りがキッチンに溢れてきて、ケーキが焼ける時とは違った幸せ感をもたらしてくれる。


せっかくだから、もうちょっと煮て柔らかくしよう。昆布巻きが特大サイズだったので、その分出汁も多めに入れればいけないだろうが、ここは節約。クッキングペーパーを駆使して落し蓋の代わりとする。


ぐつぐつ、ぐつぐつ。いい感じ。


幸せ感で、るんるんと仕事に戻りエクセルでデータ処理に勤しんでいた。昆布とお醤油の香り。トンカが太陽が出ているので外でちょっとだけ日向ぼっこをしようよ、と誘ってくる。そうね、そうね。ちょっと待っててよ。


一段階ついたところで庭に出ようとすると、幸せな香りに、まさかの焦げた香りが薄っすらと重なっている。え?ちょい。えええ?


あわや。危機一髪と言えるのか、鍋底は綺麗に真っ黒に焦げ付き、昆布巻きがじりじりと底が焼けてきていた。しかし、特大昆布巻き本体はさほど被害はない。慌ててお皿に取り出し救出。味を見ると、当然のことながら濃くて佃煮のようになってしまってはいるが、そこは昆布。美味しくないはずがない。


と、トンカが味見をさせてくれと、ひどくせっついてくる。うーむ。確かに、以前海岸に行った際には、砂浜が大好きで、転がっている乾燥した海藻を喜んで齧っていたっけ。


ちょこっとだけだよ、と味見をさせてあげると、嬉しそうに食べてしまう。あらら、トンカも昆布巻きが好きなのね。ふふふ。


その後、水をがぶがぶと飲むトンカの姿に思わず笑みがもれる。昆布巻き、次こそは焦がさずに美味しく作ろう。巻かずに結べば良かったのかもしれないと、反省点を覚えておかねば。



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