どんな経緯があったか、すっかり忘れてしまったのだが、遠い昔、友人がバッタ達にとピザをテイクアウトしてくれたことがあった。仕事帰りで遅くなってしまったのか、或いはバッタ達の誕生日が近かったからか、その辺は本当に覚えていない。
ピザが焼き上がるまで、ちょっとしたカウンターで待っていたのだが、気の利く友人が一品をオーダーしてくれた。それがゴルゴンゾーラとマスカルポーネのサンド。こんがりと焼き上がるピザの香りと、釜の熱気やレストランの喧噪がちょうど良く相まって、お皿の上でとろりととろけんばかりのチーズは、得も言われぬ美味しさだった。
ひとくち、ふたくちと食べながら、これはまずいと思い始めていた。カロリーが高いだろうことは百も承知ながら、ピリリと辛いゴルゴンゾーラとまったりとした味わいのマスカルポーネのコンビネーションが素晴らしく、恐ろしい程に夢のような気分にさせてくれる。
あれから怖くてオーダーをしたことはない。あの味わいを時々思い出すことがあるが、今回はふと買い物をしている時で、気がついたらマスカルポーネを一パック買ってしまっていた。さあ、これで何をしようか。
以前だったら、マスカルポーネときたらティラミスに決まっていた。ただ、バッタ達もいないし、友人宅に差し入れをする程のこともないし、それに正直、ティラミスを作りたいとの意欲が湧いてこない。さて、どうしたものか。
軽くチーズケーキを焼こうか。
マスカルポーネ 230グラム
卵 2個
キビ砂糖 40グラム
生クリーム 50㏄
牛乳 50㏄
小麦粉 30グラム
オーブンを190℃に熱しておく。
マスカルポーネを室温に戻し、撹拌しクリーミーにする。そこにキビ砂糖を入れ、しっかりと混ぜる。卵を一つずつ割入れ、毎回しっかりと混ぜる。生クリームと牛乳を、少しずつチーズの生地に入れて、混ぜ合わせる。最後に篩にかけた小麦粉をさっくりと入れ、しっかりと混ぜる。
一度くちゃくちゃにしたオーブンシートを型に載せ、その上にケーキの生地を流し込み、温度を180℃に下げたオーブンで40分焼き上げる。
ふんわりと膨らみ、こんがりと焼き色がつく頃には、キッチンが幸せな香りで満ちてきて、オーブンから出すと、その幸せの香りをしっかりと収めるかのごとく、膨らみは落ち着く。
せっかくだからと、未だ温かいうちに一切れ味見用に失敬し、一切れなくなり笑っているような形になったケーキは一晩冷やしておく。
翌日、しっかりと冷えたケーキに、お向かいのマダムから頂いた無花果で飾りをつけて完成。
一晩置くと、味も落ち着くのか、温かいうちに食べた時とは比べ物にならない程の美味しさで、思わず唸ってしまう。ベークドチーズケーキは冷やして食べるのが正解。秋の午後のティータイムにぴったりの一品、いかがでしょう。
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