2022年10月1日土曜日

受け継がれし猟犬の血

 





随分と前からYoutubeにしろTwitterにしろInstagramにしろ、とにかくストーカーに合っているかの如く、私の関心が高そうなテーマの記事、動画を知らせてくる。AIによるものだとは分かっているが、気味が悪いし、賛同する内容のニュースしか見ないことになり、非常に偏った情報に埋もれてしまうとの懸念もある。


が、嫌なことばかりではないから、それこそ嫌になってしまう。


そのお陰で発見、発掘した情報も少なくない。その中の一つに犬の動画があり、ついついでれでれと幾つもの動画を見続けてしまう。暫くして、一つの疑惑が次第に確信にと変わっていっている。


トンカの血統についてである。勿論、母親は純白のゴールデンレトリバーであることは分かっている。父親についての情報が皆無で、森の精だと冗談で言ってはいたが、常に頭の片隅に気になることとして残っていた。


別にどんな血統であろうと、トンカはトンカに違いはないのだが、何せちっとも母親に似ていないし、身体のサイズも、ゴールデンにしては小さめで、筋肉質。最近川に足を入れて水を飲むようにはなったが、水浴びがそんなに好きな様子ではない。


犬らしい愛らしさを持ち、あけっぴろげな甘え方をするものの、べたべたした関係は歓迎しない。他の犬と挨拶する時には、カンガルーの様に跳び上がる。小川は水浴びするためではなく、飛び越えるためと言わんがばかり、すばしっこく対岸から対岸へと飛び回る。


時々、肩を上げて獲物を狙うかのような格好で様子をひっそりと窺っていることがある。鹿や兎、雉など、見かけた途端に追いかける。急斜面な崖でも平気で、走り上っていく。


そう、トンカには猟犬の血が流れているに違いない。


今まで出会ったどの犬よりも速く走るし、すばしっこい。猟犬としての特徴をたくさん持ち合わせているではないか。ひょっとしたら障害物競走などに出たら、一等賞になるのではないか。


それでも、トンカは猟はしないし(させないし)、障害物競争などにも出ない。それで、いいよね、トンカ。我が家のメンバーとして、我が相棒として、大いに幸せであって欲しい、ひたすらそう願うのみ。


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