末娘バッタが黙って部屋に入ってくる。
頬には涙の後。いや、涙は後から、後から頬を伝って落ちてくる。
朝から喧嘩?
今朝は早々に試験前だからか長女バッタの鼻息が荒かった。
それにしても?
静かな涙。。。
あっ。そうか。
10日間日本から来てくれていた母が帰る日。
昔は長女バッタがやはり母が日本に帰る前日から無口になって、空港では泣きじゃくって大変だった。
今年の夏には、妹が子猫たちを連れてきてフランスで二週間過ごした後、イギリスに一緒に一週間行き、現地で別れて、それぞれ帰路につく。一日中車を運転して漸くフランスの我が家に戻ってきて、ヤレヤレとほっとし、明日は会社か、と思っていたところに、二階の子供部屋に行っていた息子バッタが階下に泣きながら降りてきたので、一体何事かとすぐには分からなかった。留守中の部屋に問題でもあったか? 子猫たちがいない、と大泣き。
別れの涙。
別離の辛さを知っているバッタ達。
出会いの喜びも知っているといえようバッタ達。
末娘バッタの寝顔を見に行くと、何やら布切れを顔にかけている。
「マミーの匂いなの。」
母がバッタ達に残していった置き土産の一つ。
「ボクには、アメだったよ。」
確か、母はドラえもんのポケットの様な魔法のバックから、何やら出してテーブルに置いていたっけ。あれは、みんなに、ってことだったのにな、と思う。まあ、いいか。
そういえば、母を空港に見送って家に戻ると、長女バッタが夕食の用意をしていてくれた。母がいつもそうしてくれたように、お醤油とお酢のタレを作り、人参のスティックを切って、グラスに飾り、玉葱とコージェット、それにトマトの野菜炒めを作っていた。
母の置き土産がここにもう一つ。。。 鼻の奥がツンとする。
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こんにちは。あかうなです。お写真は日本ですか。綺麗な渓流ですね。バッタさん達を見つめるクッカバラさんのやさしい目が素敵ですね。しっかし、クッカバラさんのお子様はバッタさんたちで、妹さんのお子様はネコちゃん!?妹さんは、はて、なんでしょうね。ま、まさか、とら???すみません、いつも変なコメントで。私の鼻の奥もつ~んとしました。子供の頃プールに入ったときに感じたみたいに。ああ、また変なコメントを。。。
返信削除アカウナさん。楽しいコメントいつもありがとうございます。
返信削除妹と私は、実は獅子の筈でした。母親から、よく、獅子は千尋の谷に子を蹴落とし、生き残った子だけを育てるのよ、と言われ育ちましたから。
そうして、何度も蹴落とされ、這い上がり、気がついたら私はクッカバラとなって陽気に大声で高笑いし、飛び立っていきました。
妹は、、、。いや、年子の兄がいますので、彼だって、、、。
この話はいつか。。。(書けたら良いですけど)。でも、猫の母親が虎、なんて、さすが目の付け所が違いますね。あかうなさん、なかなかです。お子達、皆、元気になりましたか。あかうなさんも全快ですか?ご自愛くださいね。