台北に行ったら、ぜひ訪れたいと願っていた孔子廟。
車窓から宮殿のような圓山大飯店を望みと、もう圓山駅。
駅前通りを進むと、右手に入った細い通りの向こうに、人だかりが見える。
お昼時。
つられるように入っていけば、ぐらぐらと煮立てられた大鍋のスープ、新鮮な葱や香草、麺の塊の中で、大きな幅広の包丁をタンタンと小気味良く叩き、手際よく注文を捌く小柄な女性が見て取れる。
烏賊のあんかけご飯、排骨スープ麺をバッタ達と味わう。
どうやら彼らは香草が苦手の様子。
お腹を満たし、満足し、改めて大通りを目的地に向かって進む。
煉瓦色の壁が続き、漸く門に。
ちょっと背を正して、門をくぐる。
と、広場になっている。
左手は建設中らしいが、かなり近代的な公会堂と思われる。
広場の右手奥に、新たな門が。
門を抜けると、金木犀のような香りに包まれる。
見上げるばかりの大木が、知的な空間に誘ってくれる。
孔子廟創建の歴史が書かれたパネルが目に入る。
19世紀末に建てられるが、日本軍による台湾占領に伴い、日本語学校建設の為に取り壊された事実を知らされる。
その後、台北の名士による献金にて再建され、国に献上されたとなっている。
歴史の重さに胸が締め付けられる。
大衆の切ない声が頭に響く。
これまで守ってきた教えを奪われざるを得ない運命とは如何なるものか。
歴史に触れることは、時に辛い思いを伴う。
礼、楽、射、御、書、数の六芸に関する学習、体験コーナーがあり、分かりやすく馴染みやすくできている。
バッタ達は嬉々として楽しんでいる。
孔子廟で、学問のお守りがあればバッタ達に、と思っていた。
小さなお店があるが、そこに置いてある品々は孔子を漫画ちっくに描いたものばかり。
どうしてアニメっぽく茶化してしまうのか。
そうして、この国の多くが漫画仕立となっていることに思いを馳せる。
なんだか、触れてはいけないものに意識が入り込む恐れがし、慌てて頭を振る。
と、息子バッタの声がする。
お守りがないなら、全然関係ないけど、このアイスを買ってよ。
そうそう。
さあ、ここを出て、通りに出よう。
珍珠奶茶を買って、家路を急ごう。
金木犀の香りをくぐって、
車とバイクの騒然たる、しかし活気に満ちて生き生きとしている世界に足を戻す。
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皆様からのコメント楽しみにしています。
息子バッタさん、なかなか気が利きますよね。いい感じで好きなキャラです。え!?漫画じゃないって?まあ、まあ、新年早々、硬いことおっしゃらずに。。。で、台湾で占いなんかされました???
返信削除あかうなさん
返信削除息子バッタのファンが新年早々いらっしゃって、嬉しい限りです。
占い、ですか?バッタ達が喜んでしてもらっていました。それよりも、鍼、漢方、こちらの体験が感動的でした。今度、投稿しますね。