車のグラスに張り付いた霜を
シャーベットのように薄く削りながら、
ゆっくりと凍っていった大気の前夜のおしゃべりを
白い気を吐きつつ聞くことが、
今年は数えられる程。
冬になれないでいるのか、
春が早く訪れたいのか。
いつ冷たい雫が降ってくるかと思わせる今日の空。
クロッカスが黄色い蕾を膨らませ、
水仙がつんと先の尖った葉を覗かせ始めている。
冬枯れの木の枝は、
早くも芽を吹かんばかり。
両手に抱えた熱いカップからは
アールグレイの香り。
はかない太陽の輝きが庭を一瞬明るくし、
目敏いピーがいつの間にかやってきて、
我が物顔で堂々と土草をついばむ。
両手に感じているアールグレイの温かさが、
体中を満たし始め、
魂までをも貫かんばかりとなった刹那、
体の奥底から熱きエネルギーが溢れ出始める。
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