10年近くも前のことか
南仏の小さな地方都市の空港でパリ行きの飛行機を待っていた。
温暖な気候がそうさせるのか、
ラオスのビエンチャンを思わせる作りで、
国内線のみを扱う気安さで、
電車に乗るような気軽さと手軽さ。
日曜の午後の便で、
空港にはのんびりとした雰囲気が漂っていた。
搭乗手続きもあっけなく、
航空券を見せると、
滑走路が見渡せる戸外に出る。
そこには、
セスナかと思わせる小型機がタラップを下ろして待っている。
そこにたどり着くまでの
ちょっとした道のりに
ワゴンが無造作に置いてあり、
新聞や雑誌が並んでいる。
至ってカジュアルな装いで、
先を歩く紳士が新聞を幾つか腕に抱える。
と、続く息子バッタ、
同じ様に新聞を腕に抱える。
ルモンドに始まり、フィガロ、レゼコ、エキイップ、といったところか。
前を歩いていた紳士が、
おもむろに振り向き、
自分とそっくりに、新聞を腕に抱えている息子バッタに、
「ボンジュー、ムッシュー。」
そう明るく陽気な声で挨拶をする。
息子バッタ、当時3、4歳。
彼も、同じように、にっこりと挨拶をする。
「ボンジュー、ムッシュー。」
くだんの紳士は、
その後ろを歩く、
やはり同じように新聞を腕に抱える父親と、
長女バッタと末娘バッタとを引き連れる私に、
軽くウィンクをして、
子供とは親の後姿を見て育つとは、正にその通りですな、
と言った様なことを話す。
そうして爽やかにタラップを上り、
機体の中に消えてしまう。
その彼が、
フランソワ バイル(François Bayrou)。
政治家であり、フランス民主連合(UDF)議長(党首)、民主運動(MoDem)党首。2007年フランス大統領選挙の有力候補のひとりであり、今年もここにきて人気急上昇中。
そうして、かたや息子バッタ。
サッカー好きのスポーツ少年。
バイオリンを自分の腕の延長のように感じており、
好き嫌いなしの健康優良児。
その可能性たるや、今のところ、、、未知数、か。
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