犬は臭覚にしろ嗅覚にしろ聴覚にしろ、とにかく人間よりは勝っているし、非常に敏感なのだと思う。
トンカが我が家に初めてやってきた時、息子バッタと一緒にテレビで映画を観ようとしたが、怯えてしまって断念したことを思い出した。自動車レースがテーマの映画だったが、車のエンジン音でキュンキュンと鳴き始め、怖がってしまった。長時間車に乗せられてやってきた疲れもあるのだろう。
ショパンコンクールをテーマとしたアニメにしてみたら、今度は落ち着いて眠ってしまった。息子バッタに言わせると、クラシック音楽は偉大とのこと。確かに神経に優しい作用を施すのかもしれない。以来、朝はクラシックを聴くことにしている。そうすると、ほぼ間違いなくトンカは落ち着いて一人で寝てくれる。
庭で遊んでいても、飛行機の音、ヘリコプターの音に最初は怯えていた。もちろん、バスやトラックの音にも、慣れてはきたが、今でも時々立ち竦んでしまう。
恐怖心と言うよりは、警戒心なのかもしれない。知らないものに対して非常に警戒心が強い。お隣のマダムが垣根越しから声を掛けた時、けたたましく吠えてしまって面食らった。トンカ、大丈夫だよ、お隣のマダムだよ、とはいうものの、聞く耳を持たない。3回目にして漸く、吠えたてることをしなくなったが、どうだろうか。
一方で我が家に遊びにくる友人たちに対しては、とても友好的である。トンカの習性の鍵がここにあり、分かりそうで、かなり複雑だと思われる。
トンカが来る以前から、我が物顔で我が家の庭に入り浸っていた猫たちの存在がある。彼らは、いたってふてぶてしく、トンカが散歩に外にでようがお構いなく、平気でのさばっている。当然、トンカはけたたましく吠えまくる。トンカ、大丈夫だよ。猫君だよ、とはいうものの、どうも猫君たちは友好的な様子ではない。何かあったら飛びつかんばかりに身構えている。だったら、さっさと逃げてくれないかと思うのだが、ちっとも動じた様子はない。
不思議なことに、これまで我が家にくる猫たちは、私の姿を見れば、さっと身を翻して逃げて行ったのに、トンカの存在が気になるのだろうか、ちっとも動かない。ある時は夜だったので、携帯のランプをぐるぐるさせてみるが、効果ゼロ。一匹の猫とトンカはお互いに見つめ合い、一触即発の様子になったので、何かあったら困ると猫を追い立てるが、人間の私には目もくれない。そういうものなのか。そうこうしているうちに、猫は松の木に軽々と登り、それからさっと降り立ち、今度はさくらんぼの大木に登ってしまった。暗闇の中、サクランボの幹の上に猫の影がぼんやりと見え、シュールな世界に思わず身震いをしてしまった程。
古株の猫たちにしてみたら、新入りのトンカのお手並み拝見といったところなのだろう。いやはや。人間に守られちゃって、甘えん坊め、と思われているのではないかと、冷や冷やする。だからといって、急に野生の世界にトンカを一人立ち向かわせる程の度胸は持ち合わせていない。過保護で結構。可愛いトンカにもしものことがあったら、一生後悔してしまう。
しかし、どうしたものだろう。猫たちと喧嘩せずに共存するにはどうすべきか。
いやいや、ここはプリンセストンカのお庭なのです。猫君たちよ、ちょっとは遠慮してくれたまえ。
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